個性がハッキリしている人は結局重宝される 極端なゴールを目指し、自らの価値を上げよ

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──プロ化社会になりつつある?

価値観自体が多様化し、世の中の流れも速くかつ広い。1回何かで成功したら一生大丈夫、という世の中ではない。なればこそ、世の中がどんなに変わろうとも自分なりの価値で食べていける軸を打ち立てることは重要だ。

──「自分探し」がはやりました。

自分探しは、今置かれている環境が嫌だから、とりあえずそこから離れようとすること。仕事で行き詰まったから旅に出るとかでは、何の解決にもならない。仕事での問題は仕事を通じてしか解決できない。自分自身を変えるか、環境を変えるか。この2つを合致させないといい方向に行かない。自分という価値と自分が活躍できる環境がそろって初めて、腕をふるえるようになる。

熱中するのは大事だが、見極めも必要

──自分を変える?

「傘型人間」はどうだろう。よく理想はT字型人間の姿だといわれる。1つの軸があって、幅広くいろんなものにも精通する。だが、軸の部分は確かにいいとしても、横への張り出しがすべてにおいてフラットである必要はない。知らないことはネットなどで検索すればよく、逆に知っていること自体の価値もなくなってきている。軸、つまり自分の強みや経験をあくまで補完する部分が張り出し。軸は新しいことを考える、新しい価値を生み出すうえで重要であり、とことん伸ばすべきなのだ。

──「幽体離脱」せよとも。

安井元康(やすい もとやす)/1978年生まれ。明治学院大学卒業後、GDH(現ゴンゾ)入社。エムシージェイ(現MCJ)に転職し、自社IPOの実務責任者に。英ケンブリッジ大学大学院に私費留学しMBA取得。経営共創基盤に在職中、ぴあ執行役員。2016年MCJに復帰、2017年から現職(撮影:尾形文繁)

「極端」をキーワードにしているので、突き詰めて物事を行う、一点集中型で頑張るイメージを持ってしまうかもしれない。極端イコール熱血漢、バカ一方のようなイメージだ。

何かに熱中することは必要だが、世の中の動きは速い。自分が熱中していることが、アッという間に通用しなくなっていく可能性がある。たとえば皆がこぞってソーシャルゲーム企業に転職した時期があった。ブームだったからこそ需要があったのであり、ブームは2〜3年でしぼんでしまった。

自分のしていることがこの先大丈夫なのか、あるいは本当に前に進んでいるのか、冷静に見極める自分を持つ必要がある。「熱い心」を持つのはいいが、頭では冷静さを失わない。突き進むことが大切だからこそ、一歩先を客観的に見る。それを幽体離脱と呼んだ。冷静に見極める手段が幽体離脱なのだ。

次ページ同じ努力をするでも、それが実りやすい環境に身を置く
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