コカ・コーラ襲った「豪雨」と「トラック不足」 中国地方の主力工場は稼働再開見込み立たず

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被害を受けた物流倉庫は地域の中核拠点となる大型の自動倉庫だった。この倉庫は本来、工場からの完成品の搬入、製品の積み上げといった一連の作業が自動化されていたが、現在は搬入・搬出がすべて手作業で行われている。自動倉庫機能の完全復旧は最短でも年末になる見込みだ。

現在はこの倉庫に、京都工場や佐賀県の鳥栖工場で製造された製品を搬入し、工場の操業停止の影響をカバーしようとしている。だが平時は必要のない他工場から本郷工場への輸送を行うため、トラックが追加で必要になった。

影響は中国地方だけにとどまらない

このことがコカ・コーラの事業全体に影響を及ぼしている。製造と配送の能力が共に逼迫。直接被害のあった中国地方だけではなく、全国のスーパーマーケットなどの小売店に対して、自社製品をチラシなどの広告に掲載するのを中止するよう異例の要請をしている。販売数量への悪影響は避けられない。

コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングスの吉松民雄社長は2018年12月期中間決算会見で、「業績への影響は大きいが、着実に復旧を目指していく」と説明した(記者撮影)

コカ・コーラは被災の影響を測るのが困難だとして、2018年12月期の業績予想を「未定」に変更した。11月の第3四半期決算発表時までには開示するとしているが、「今後も製品供給の制約が続く」(会社側)としており、見通しは不透明だ。

くしくも、夏場の猛暑で飲料需要が急増しているタイミングでの被災だった。ただでさえトラックドライバー不足で物流能力が逼迫している状況の中、余波はほかの飲料メーカーにも広がってきた。

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