さて、こうなると共和党が固執する「長期債務削減」というのは一体何のためになされるというのでしょうか。これを守るために国民に大迷惑をかけてガバメントシャットダウンなどを起こす、ただの「駄々っ子」のような状況だ、というのがいまのアメリカ国民の認識なのです。
ここまで財政状況が好転し、さらにシェールでそれが後押しされるという経済状況から考えれば、法定債務上限なんてあるほうが不自然ですよね。
その度にアメリカがデフォルトする!!とかいうデマでマーケットが揺さぶられる、そのマイナスの影響の方がはるかに大きいわけでして、これを契機にこの条項は見直すべきではないのか、と思われますし、事実共和党の上院議員の間にはそういう動きがあるのです。
ティーパーティー関係者は、いまやお荷物
私自身も、いまのアメリカの財政状況で法定債務上限を設け、引っかかるたびにアメリカ国債のデフォルト問題が取りざたされるなどというのは、尋常ではないと考えています。共和党は余程腰を据えて取り組まないと、この点で大きく足をすくわれる可能性があると思います。
思えば下院での共和党の躍進は、あのティーパーティーの活躍だったわけですが、いまや逆にその人たちが足手まといになり、なかなか民主党と合意形成ができず、かえってアメリカ国民の国民感情を逆なでする結果となっているわけです。
次の大統領選挙もにらみ、このまま「スーパー保守」となって突っ込むのか、多少は柔軟な姿勢を見せて、政権担当が可能な党だ、とアメリカ国民を納得させられるのか、共和党にとっては本当に岐路に立っていると言っていいと思います。
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