日経平均2万5000円台が現実味を帯びる理由 にわかには信じられないかもしれないが・・・
日経平均株価が8月29日現在で7連騰している。昨秋の衆議院選挙前にも16連騰の株高になった記憶も残るなか、今年9月20日の自民党総裁選挙の結果を先取りする流れもうかがえる。
今年4度目となる日経平均株価の2万3000円台のトライは、「三角保ち合いのセオリー」に従えば強含みの展開が続きそうだ。テクニカル面からみた上値のメドやフシ目などをわかりやすく解説しながら、今後の見通しを探ってみたい。
過去3回とは違い、「4度目の正直」に?
8月1日号のコラム「8月相場は上昇するのか、それとも急落なのか」では「今の中途半端な相場(三角保ち合い)は本格上昇の前触れ」とお伝えした。ここであらためて三角保ち合いをわかりやすく解説しておこう。相場の勢いが一服したあと、高値と安値が収れんするとペナント型のチャートパターンが形成される。これを「三角保ち合い」と呼び、買い手と売り手の勢いが均衡している踊り場を示す。最低でも5回以上もみあったのち、大きく放れるのが特徴だ。
2018年の日経平均株価は5月、6月、7月と2万3000円前後で「戻り一服」となった。ただ、今回4度目のトライは様相が異なる。チャート上では1月高値(2万4124円)と5月高値(2万3002円)を結んだ上値抵抗線を上回り、三角保ち合いを上放れた。これは上げ相場の始まりとみている。では、想定される上値メドはいくらか。三角保ち合いでの最大振れ幅(3507円)からみると2万5300~2万5800円が試算される。
チャートパターンから想定される日経平均株価の上値メド
上値メドA 2万5364円(=8月安値21857円+最大振れ幅3507円)
上値メドB 2万5877円(=中値22370円+最大振れ幅3507円)
※最大振れ幅=1月高値2万4124円-3月安値2万0617円
※中値=(1月高値2万4124円+3月安値2万0617円)÷2
思い起こせば、2017年の大納会の日経平均株価は2万2764円だった。景気拡大と低金利が共存する適温相場によって株高が進み、2018年1月の日経平均株価は一時2万4124円と年初来+6%近くまで買われていた。
しかし、その直後に米金利上昇を機に投資マネーの逆回転が始まり、2018年2月の日経平均株価は大きくマド(2万3098円)を空けて下落。さらに新興国経済への悪影響を警戒し、中国株安や新興国通貨安も加速した。その後に米中貿易摩擦懸念も重なり、2018年3月の日経平均株価は一時2万0617円と年初来マイナス9%超まで急落した。あれから半年近くが経過。過度なリスク回避は一服し、2018年8月の日経平均株価は一時2万3000円台まで回復、気づけば3月安値から1割超戻している。足元まで国内企業は順調に利益を伸ばしており、業績面から好業績企業の見直し買いが入っている。
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