客が半額より「2個買えば1個無料」を好む理由 日本はシンガポールよりもケチくさすぎる
メリット「その2」は、お店側が広告宣伝をしなくても、お客が労力を払ってお客をもう1人連れて来てくれることです。シンガポールでは、「Aホテルの中華ランチで1FOR1やっているから行こう」「ハッピーアワーはお酒が1FOR1だから、早く仕事を切り上げて行こう」「バッグが1FOR1だから一緒に買おう」といった形で気軽に誘われる場面がよくあります。
普段からよく1人で行っている店で「1FOR1」をやっていたら、誰だってもう1人を連れて行きたくなるものです。連れてこられた人がお店のサービスを気に入れば、さらに違う友達や知人を連れてくる可能性が格段に高まります。
「1FOR1」のコストは、いわば広告宣伝費ですが、単に一時的に広告宣伝するよりも、効果はずっと持続しやすいといえるでしょう。
クレジットカードを持っていると、「今月の1FOR1のご案内」といったリストがメルマガで送られてくることがよくあります。特に予定がなくても有名店やおいしそうなレストランがキャンペーンをやっていると、家族で出掛けようという気になるものです。「1FOR1」を行うと来店率が高くなるので、マーケティング的にも非常に有効なのです。
お店は売りたいものが売れて、コストも下げられる
メリット「その3」は、お店にとって都合のいいメニューが提供できることです。「今月の1FOR1」では、旬の食材を使ったメニューが挙げられていることがよくあります。
これは裏を返せば、旬の食材を安くたくさん仕入れられるということです。「1FOR1」に該当するメニューに注文が集中することがあらかじめわかるので、たくさん仕入れて原価を下げることができるのです。そうすることで食材ロスも減らすことができます。
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