「『家族会議』は何歳から参加できますか?」「子どもを入れてどんなふうに会議をすればいいかわからない」。時々、そんなことを聞かれる。この連載を読んでいただいている方ならおわかりのように、家族の「会議」の形はまさにそれぞれで、やり方も、話すことも、参加する人も、家族によって異なる。そこに正解はない。
ただ、確かにまだ小さくて会話がおぼつかない子が、深い話に参加するのは難しいだろう。そして子どもの年齢が低ければ低いほど、親はできるだけ「冷静に客観的になって」子どもたちの意見を聞く必要があるかもしれない。そのため、子どもの年齢が低い場合は特に、第三者の存在が意外とキーになることもある。
仲良し夫婦が「困っていたこと」
安東秀海さん美紀子さん夫妻は、夫婦で心理カウンセラーだ。仕事のうえでもパートナーである2人は夫婦仲もよく、家事分担や1人息子の陸くんの世話なども、普段から話し合いの中で上手に分担している。
そんな安東さんだから、夫婦会議も家族会議も、自然にできるとは思っていたのだが、近頃ちょっと困っていることがあるという。「一度、間に入ってみてくれませんか?」と言っていただき、この夏に3歳になった陸くんを交えて家族会議のファシリテーションをさせてもらった。
夫:安東秀海さん 妻:美紀子さん 息子:陸くん(3歳)
家族の課題:2人目が生まれる前に、陸くんの生活リズムを整えたい!
妻の美紀子さんは、現在2人目の子どもを妊娠中。つわりがひどいこともあり、仕事を少しセーブしつつ、家で過ごしていることが多い。そんな美紀子さんの、最近の悩みは、「陸くんの寝かしつけが遅くなること」だ。
実は陸くんは大のパパっ子。生まれてすぐ秀海さんが育休を取っていたことや、美紀子さんの出張時には秀海さんと2人きりで数日を過ごすことも度々経験してきたことから、「ハハじゃなきゃいやだ」(陸くんは秀海さんをチチ、美紀子さんをハハと呼ぶ)というようなことは一切ない。
「それはありがたいのですが、逆に夫がいないと夜もなかなか眠れなくて。『チチ、いつかえってくるのかな〜』って感じなんです(笑)」
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