大分県に、お子さんが小さいときから家族会議を習慣にしている家族がいると聞いた。現在、中学1年生と小学4年生の男の子たちは、学校から帰ると畑仕事から、海釣り後の魚さばき、薪を割っての風呂たきなど、いろんなことを大人並みにこなしているという。
いったいどんなスーパー男子なのか。どうやら家庭での壮大な体験型教育と家族会議がベースになっているらしい。はたしてどんな会議が繰り広げられているのだろうか? 思い切って大分を訪ねてみた。
ボロ屋をどう快適にするか
深い山と入り組んだ美しい湾に囲まれるという自然に恵まれた「臼杵(うすき)」という城下町に、佐藤さんのお宅はあった。夫の陽平さんの生まれ故郷だ。
とはいっても陽平さんは5歳でこの地を離れ、大学卒業後は大手メーカー勤務ののち、長野での自然学校の体験教育を生業にしてきた。長野でのりよさんと出会い、2人の男の子に恵まれた家族が、大分に戻ってきたのは、4年前だという。
最寄り駅からのどかな風景を進み、乃予さんに招かれてドアを抜けたとたん、いいにおいに包まれた。それもそのはず、床、テーブル、いす、すべてに大分産の天然木が使われている。
「わぁ、すてきなお家ですね」というと、陽平さんは笑った。「でも、引っ越してきた当初は、それはもうとてつもないボロ屋だったんですよ」
夫:佐藤陽平さん 妻:乃予(のりよ)さん 息子:世壱(よいち)くん(13歳)、創咲(そうさく)くん(10歳)
家族の課題:三代続く古民家を、自分たちの手で快適な家にしたい!
子連れUターンを決めて、祖母が暮らしていた家に住むことになったはいいが、トイレや風呂などの水まわり、母屋にもムカデやゴキブリがわんさか出て子どもたちを驚かせた。さらに畳からは軒下に入り込んだ竹が突き破って生えている。
それでもここで暮らしていかなくちゃいけない。そこで引越し後、真っ先に佐藤家で行われたのが、「大家族会議」だった。
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