そんなふうに聞くと心配を覚える方も少なくないだろうが、そもそもこのディーゼル・エンジンは最近開発され、日本に導入されたのも先代XC60に搭載された2015年のことだから、しっかりと新世代のクリーン・ディーゼルとしての性能を実現していることは間違いない。
実際にV90に搭載されたD4の印象は、率直に言って「ベストマッチ」といえるパワーユニットだったと言っていいものだった。
もっともこれは何もV90だけに言えることではなく、先日導入されたXC60でも同様のこと。なぜかといえば、XC60のようなSUVやV90のようなフラッグシップは、ご存じのように決して小さいモデルではなく車両重量もそれなりにかさむ。
乗り味走り味に大きく貢献
となるとパワーユニットは、最大トルクが大きくゆとりのあるものが良い。そうなると当然、ガソリン・エンジンでは最大トルクを大きくして力強さを実現できるターボが必須となるわけだが、現状のボルボではガソリン・ターボは2.0Lのみのラインナップとなるため、必然的に限界がある。
ディーゼル・エンジンのD4は同じ2.0Lの排気量でもガソリン・ターボより最大トルクは大きく、ガソリン・ターボの上級高出力モデルであるT6やT8と同じ400Nmを発生する。それでいながら燃費に関していえば、16.2km/Lと、シリーズの中で最も優れた数値を実現するのである。
そしてディーゼル・エンジンは、こうした数値だけでなく、何より乗り味走り味に大きく貢献しているのも特徴である。
V90はフラッグシップモデルだけに、ガソリン・ターボを搭載したモデルも極上の乗り心地を示し、エアサスペンションを搭載したモデルは実に滑らかな乗り心地を提供してくれる。そして非常に豊かでゆとりのある乗車感覚をもたらしてくれる。
そこにディーゼル・エンジンの低回転から力強くゆとりある加速感が組み合わせられることによって、その感触はまさに高級車に相応しいものとして感じられるのだ。
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