ボルボ「V90」ディーゼルモデルのスゴい実力 旗艦車種に追加された「D4」に乗ってみた

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もちろんディーゼル・エンジンだけに、ガソリン・ターボと比べると、アイドリング時や走行時に、カラカラとしたディーゼル特有のノイズが響くことがあるが、それもフラッグシップモデルならではの高い遮音性能で、どこか遠くで聞こえるレベルにしている。

クルマに身を委ねて安心できる感覚

今回は仙台駅を出発して、街中をしばし走った後に、三陸自動車道を経由して松島方面へと足を伸ばした。そこで双観山を訪れ、松島パノラマラインを走った後に昼食。そしてその後は、国道45号線を走って塩竈市を短時間で巡りつつ、仙台駅へと帰るというルートを走ったのだった。

そうした休日のドライブ的な走りを行ってみて感じたのは、やはりV90ならではのフラッグシップらしい余裕を感じさせる乗り味走り味の良さで、これがドライブにおいて最も印象的だった。実際にさまざまなシーンで走らせてみて、つねにクルマに身を委ねて安心できる感覚が漂っていたのだ。

またD4らしさもこうした余裕に大きく貢献しており、わずかにアクセルに足を乗せるだけで力強い加速を提供してくれるため、実に楽に走ることができた。

さらにボルボらしさを感じたのは安全性の高さ。特に最近の話題の中心であるADAS(運転支援システム)に関しては、メルセデス・ベンツやSUBARU(スバル)と並んで優れた制御を提供している。実際に行きの三陸自動車道では、パイロットアシストを起動させて、ハンドルに手を添えるだけで自動的にアクセル/ブレーキ/ハンドルを操作してくれる先進技術を体験することができたのだった。

ボルボらしい安全性の高さ(筆者撮影)

ガソリン・ターボ搭載車は、ガソリン・エンジンらしいエンジン回転の滑らかさとレスポンスの良さがあり、これはこれでひとつの魅力としてあげられる。

そしてV90の場合は、これにモーターの力が加わって、より力強く滑らかな加速をもたらしてくれるプラグインハイブリッドのT8も存在する。

そうした魅力あるラインナップの中にあっても、このディーゼル搭載車であるD4は、筆者としてベストと判断できる走りを備えていた。さらにいえば、筆者も普段ディーゼル車に乗っているのだが、ディーゼル車は最大トルクが太く、走りにゆとりがあるのに加えて、燃費に優れていて財布にも優しい一方、一度給油すると足が長いためガソリンスタンドに行く頻度がグッと下がるのがメリットとして挙げられる。

「ガソリンスタンドにいく頻度が下がるのがメリットになるの?」と思うガソリン・エンジン車オーナーの方は多いと思うが、実際にディーゼル車を生活の中で使うと、その足の長さに驚くはずだし、頻度が下がると煩わしさも減ることを痛感するはずだ。

そうした部分も含めて、V90のD4はこのシリーズのベストといえる1台だった。

河口 まなぶ 自動車ジャーナリスト

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かわぐち まなぶ / Manabu Kawaguchi

1970年5月9日茨城県生まれAB型。日大芸術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌アルバイトを経てフリーの自動車ジャーナリストに。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。2010年にWeb上の自動車部「LOVE CARS!」(部員約2200人)を設立し主宰。Facebook上に「大人の自転車部」を設立し主宰、2万人ものメンバーが参加。また同じくFacebook上に「初めてのトライアスロン部」を設立し主宰、1500人のメンバーが参加。TV、新聞、Web、各種自動車メディアに出演・寄稿を行うほか、YouTubeでは独自の動画チャンネル「LOVE CARS!TV!」(登録者数8万7000人)で動画を配信。Yahoo!ニュースに個人でも自動車に関する記事を発信している。趣味は水泳、自転車、マラソン、トライアスロンでは毎年アイアンマンレースを完走している。

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