牧之段:親近感ですね。ある企業のTwitterアカウントの「中の人」が、会社の情報だけじゃなくてカジュアルに天気の話題など茶目っけを出してつぶやくじゃないですか。大企業なのにこのギャップ。そこでこの会社に抱く親近感に近いかな。
神谷:だから振ってくれる話題はなんでもいいんです。「最近、書道に凝っててさあ」でも(笑)。
上司の恋バナは「アリ」
原田:でもたとえば、君たちが書道に興味なかったら、話が盛り上がらなくない?
山切:そもそも上司と何を話していいかわからないので、とっかかりになるならなんでもいいんですよ。とりあえずその場の空気も和みますし。
樋川:その人がどういう人なのかを、仕事以外の部分で知りたいんです。知ったほうが指示を聞きやすくなりますし、もし私がその人に何かお願いすることがあっても、頼みやすいんじゃないかなと。
原田:じゃあ、男の上司が「俺、失恋しちゃってさ」なんて話しかけてきてもいいの?
神谷・樋川・吉川・山切:(女子学生全員、声高に)ぜんぜんいいです!
樋川:「わかります〜!」ってなります。
神谷:上の世代は私たち若者世代がわからないと思っているでしょうけど、私たちも上の世代がわからない。だから理解するためのとっかかりとしては、恋バナもありです。
山切:ただ、失恋にしても笑い話にしてほしいですね。ガチのやつはちょっと(笑)。
樋川:ガチでも「じゃあ合コン行きましょうよ〜」みたいな話に持っていけそうなノリなら、いいですけど。
原田:合コンに一緒に行っちゃうくらいの親近感を上司に求めるんだ。僕ら世代の常識だと、仕事以外のことを会社で若手に言うのは、きっとうざいと思われるだろうからやめとこう、って意識なんだけどな。
山切:「仕事だけの人」って悲しいじゃないですか。友達とは言わないまでも、「仕事でつながっている以上」を上司に求めたいんです。それが人間味ということですね。
牧之段:仕事とプライベートを完全に切り分けて、仕事に人間味を持ち込まない人もいますけど、そういう人とは一緒に頑張って仕事ができないですね。なんだか機械的というか、仕事は仕事として割り切ってる感が強すぎて、内面が汲み取れない。だから、そういう人から褒められてもなんだか素っ気ないし、僕もあまりうれしくないんですよ。
原田:かつての若者たちが「あこがれ」で動いたのに対し、今の若者たちは「共感」で動くようになっているんだね。だから、上司は「高いプレゼンテーション能力」があってもドライな人ではダメ。加えて「共感力」も持っている必要があると。「かわいらしく」て「できる」人……一見矛盾するこの両能力を持つ人は、今の日本の企業の偉い人たちの中には、なかなかいないんじゃないかなあ。
(構成:稲田豊史)
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