フジテレビが探る「視聴者との新しい関係」 FNNjpプライムオンライン発のネット戦略

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その結果、コンテンツビュー(オリジナルサイトおよび配信先メディアでの閲覧総計)やマンスリーアクティブユーザーといった数字がついてくれば、タイアップ記事やイベントとのコラボレーションなどが行えます。実際にすでに問い合わせも多数あり、自ずとメディアからの収益も生まれていくでしょう。

ターゲット層も、「ホウドウキョク」では“田園都市線沿線在住の30代既婚男性”といったペルソナを設定していました。「FNN.jpプライムオンライン」では、異なるペルソナ”東京の大学を卒業して、現在は実家のある愛媛県に在住の40代既婚男性”を設けています。このペルソナにニュースを伝えるにはどうしたらいいのか?などを考えながら、さらに幅広い読者を取り込む工夫をしていきます。

――まだ開設して間もない時期ではありますが、現時点ではどのような反響が得られていますか?

単純なユーザー数でいえば、「FNN-News.com」と比べて、5倍以上のペースで増えています。また、「ホウドウキョク」では他のウェブメディアや動画配信サービスと積極的にコラボしてきましたが、同様の引き合いをすでに多数いただいています。実際に形になるのは少し先の話ですが、メディアとして期待していただいていることをありがたく思っています。

――その点ではやはり、FNNというブランドが大きなアドバンテージになっていると言えそうですね。

そうですね。「ホウドウキョク」はあえて局の名前を前面に出さない方針でしたから、「え、ホウドウキョクってフジテレビのメディアだったんですか?」と言われることも多かったんです。「FNN.jpプライムオンライン」では逆に、FNNのブランドを生かしていこうと考えています。

僕がフジテレビに入社して最初に言われたのは、「テレビはどう頑張っても24時間しか売る物がない」ということでした。だから、他に売る物を考えていかなければならないのだ、と。そこで映画やイベントなど、僕らの仕事は多岐にわたっていくわけですが、ネットへの取り組みもその延長線上にあるものです。その意味で、1980年代からフジテレビが発信してきた“楽しくなければテレビじゃない”というモットーは今も生きていて、こうした新たなことにチャレンジしやすい土壌は、「FNN.jpプライムオンライン」においても大きな強みになると思います。

全国各地の系列28局にもチャンスが生まれる

――こうした取り組みは、全国の系列28列局にどのような影響を及ぼすでしょうか。

少子高齢化などに伴う視聴率の変化に悩む地域も多い中、こうしてFNNが連携してスケールメリットを生かすことは、地方の系列局にとってこそ大きなチャンスにつながると僕は考えています。

各地の新聞社やラジオ局がインターネットに活路を見出しているように、ローカル局も「FNN.jpプライムオンライン」の取り組みによって、視聴者をもう一度テレビに呼び戻したり、あるいはテレビではないところで新たなつながりをつくったり、多くの可能性があるはずです。

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