山根会長「辞任4分声明」の不用意すぎる中身 日本ボクシング連盟のガバナンスに疑問あり
今回のコメントは、日本ボクシング連盟の会長としてのものではなく、山根明個人のものに終始。やはりこの人にとって大切なのは、「『ドン』や『カリスマ』の山根明」であって、「日本ボクシング連盟会長の職務」ではありませんでした。日ごろ、「山根明」と自らの名前を連呼する自己顕示欲の強さも含め、経営者や管理職などのビジネスパーソンには反面教師になるのではないでしょうか。
「追及の手を一切ゆるめない」告発サイド
続いて8日14時15分から、「日本ボクシングを再興する会」の会見が行われました。
会見には、鶴木良夫代表や代理人の戸田裕典弁護士らが出席。助成金の不正流用疑惑について、「連盟は何一つ説明していない」と指摘したほか、審判への不正指示疑惑の直接的な証拠となる2つの音声データを初公開しました。
さらに、「チーム経費として仮払いされた分を精算していない」と指摘したほか、「まだまだ情報が集まってきている」という含みたっぷりのコメントも。それらをわざわざ言ったのは、山根会長の辞任声明が「会長職のことなのか、理事のことなのか、今後も会員として影響力を発揮していこうと思っているのか、まだはっきりしない」という中途半端なものだったからでしょう。
「日本ボクシングを再興する会」が目指しているのは、あくまで山根会長の除名と全理事の解任。それだけに、この日の辞任声明は明らかに不十分なものであり、理事たちの辞任も定かではないため、「まだ追及の手はゆるめられない」という段階に過ぎないのです。
話を山根会長の辞任声明に戻すと、やはり自分に甘い対応だけに、騒動の火消しにはなりません。そもそも山根会長は、「“終身”会長の自分には辞任という考えがない」「疑惑の件も『悪いことをした』という感覚がない」という心理状態。だから、「自分は死ぬまで続けるつもりだったけど、妻のために辞める」という大義名分が必要であり、謝罪の言葉も心がこもらないものになってしまったのでしょう。
担当弁護士がフォローの言葉を一切言わなかったことからは、「この顧客はコントロールできない」「かばいようがない」という気持ちが透けて見えました。見ている誰もが「逃げた」、あるいは「逃げ切れると思ったら、そうはいかないよ」と感じてしまう声明発表をわざわざ行った意味は、やはり極めて薄かったのです。
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