山根会長「辞任4分声明」の不用意すぎる中身

日本ボクシング連盟のガバナンスに疑問あり

「全国の47都道府県の中に、33都道府県の私に対して応援してくれたみなさまには感謝を申し上げます。同時に選手のみなさまには、このような問題があったことに関して、法人の会長として申し訳ない。どうか選手のみなさん、将来、東京オリンピックに参加できなくても、その次のオリンピックもあります。頑張ってください。本日は本当に申し訳ありません」

話し終えた山根会長は約10秒間、頭を下げました。時間にして、4分弱。まっすぐ前を見つめて、表情を変えず、紙などを見ることもありませんでした。文脈にあやしいところがあったのは高齢ゆえに仕方がないでしょうが、自分の言葉で話したからこそ、利己的な思惑が見えてしまったのです。

辞任の決定打となったのは妻の言葉?

「スッキリ」出演時は感情的になるあまり、ロンドン五輪金メダリストで現WBAミドル級王者の村田諒太選手に「生意気!」と言い放ち、自ら反社会的勢力との交際を明かすなどの失態を見せましたが、今回はありませんでした。

しかし、今回の肝となる辞任の理由は、疑惑に関することではなく、妻の言葉だったのです。まるで「妻に心配かけたくないから辞める」と言っているような口ぶりには、首をかしげざるを得ません。思えば山根会長は「スッキリ」出演時も、冒頭のあいさつで、なぜか子ども、孫、ひ孫らの名前を呼びかけ、「息子から贈られた高級時計を売った」というエピソードを話していました。

組織トップとして、疑惑の責任説明を果たさず、今後の連盟についても話さず、声明は妻とのエピソードと自分の支持者に対する感謝のみで終了。その言葉選びは、「都合の悪いことは言いたくない」「質疑応答でツッコミを受けると困る」「だから記者会見ではなく、声明発表のみにした」という思惑が見え見えのものだったのです。

また、その約2時間後に「日本ボクシングを再興する会」が第2弾の告発会見をすることが分かっていたため、「逃げたのではないか?」と見られても仕方のないコメントだったとも言えるでしょう。

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