銀行は依然として「腹をすかせたオオカミ」だ 黒田日銀は金融機関を助けたわけではない

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筆者が現在顧客にとっての「3悪」だと思うのは、(1)手数料の高い投資信託や保険(外貨建てが多い)の強引な販売、(2)貸家向けのローンの過剰、(3)個人向けのカードローンの拡大、の3点だ。

ただし、例えば、日銀の金融緩和政策による金融機関の収益悪化が、高い手数料の金融商品を強引に販売する「背景の一つである」ことは認めてもいいが、それが「原因である」と言い切ることは不適切だと筆者は考えている。この点の因果関係の区別は重要だ。

「運用商品は、人間から買うと幸せになれない」

仮に、今後、長短の金利がより収益を稼ぎやすい状況に変わったとしても、投資信託や貯蓄性保険の販売で稼ぐ手数料収入が減ってもいいと金融機関は考えないだろう。営利企業なのだから、当然のことだ。

ただし、高齢者など、判断能力が乏しい顧客に高い手数料の商品を売りつけるようなビジネスが、長期的に上手く行くようには思えない。

もちろん、顧客の側では、手数料の高い投資信託や保険(概して投資信託よりも悪い)を、金融マンから買わないことが大事だ。投資信託で販売手数料のあるものを全て避ける方がいいし、1年間に投資額の0.5%以上の運用管理費用を支払うものはすべてダメだと考えておくといい。

「つみたてNISA」(小規模非課税貯蓄制度)に採用されているインデックスファンドのような例外を除いて、「運用商品は、人間から買うと幸せになれない」と覚えておこう。

貸し出しでも、手数料でも、どちらも稼げるだけ稼ごうとするのだから、金融機関はオオカミよりも怖い相手なのかも知れない。オオカミの胃袋には限界があるが、金融機関の利益追求には際限が無いのだ。

もっとも、今回の日銀の政策を見ると、金融機関の胃袋が満たされることは、しばらくの間はなさそうだ。

(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が、週末の人気レースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)

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