日本代表、森保監督が目指すべき理想は何か 未来の代表監督を育てる環境は必須のはずだ

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7月26日の就任会見で笑顔を見せた森保一監督(中央)と関塚隆技術委員長(左)、田嶋幸三日本サッカー協会会長(右)(編集部撮影)

これまで監督が代わるたびにチームの方向性が揺れ動いてきたサッカー日本代表。

この先は、目指すべきスタイルの軸がブレることなく、それを突き詰めながらしっかりと前へ歩み続けることが重要だ。

ロシアワールドカップを率いた西野朗前監督の退任に伴い、新たに就任した森保一(もりやす・はじめ)監督は7月26日の日本代表監督就任会見で以下のように強調した。

「日本代表監督をするに当たってたくさんのことをしないといけない。1つは日本の勝利のために、世代交代というところ、年代間の融合を図るということ。私がやらなければいけない任務を全うして、少しでもいい形で日本代表、日本サッカー界のバトンタッチができるように、今を全力で頑張っていきたいと思います」

2年後に控えた2020年東京五輪(U-21代表)、4年後の2022年カタールワールドカップ(A代表)を目指す代表チームを兼務する新指揮官の仕事は非常に難しくなる。そういう状況でも、森保監督は長期的視野に立って日本サッカーの礎を築くべく、力を注いでいくつもりだという。

代表の若返りは急務だが・・・

ロシア大会で躍進した強豪国を見ると、若い世代の台頭が印象的だった。20年ぶり2度目のワールドカップ王者に輝いたフランスを見ても、19歳のキリアン・ムバッペ(フランス1部・パリサンジェルマン)を筆頭に主力のほとんどが20代以下だった。4位に入ったイングランドも同様だ。

それとは対照的に、日本は長谷部誠(ドイツ1部・フランクフルト)や本田圭佑、長友佑都(トルコ・ガラタサライ)ら2010年南アフリカ大会組に依存してきた。そのツケは非常に重い。

8月2日には本田がオーバーエージ(OA)枠で東京五輪を目指すと宣言。長友らも意欲を示していて、同3日の会見で森保監督も「A代表の選手たちが続々とOAを表明してくれるのはありがたいですし、心強い。本当にうれしいです」と前向きにコメントしている。

「OAとの融合は、早ければ次の大会からやりたい」とも意欲を示していて、近い将来、本田らを招集する可能性は少なからずありそうだ。

ただ、若返りが日本代表にとっての急務の課題であることは確か。当面は吉田麻也(イングランド1部・サウサンプトン)や香川真司(ドイツ1部・ドルトムント)ら20代後半の主力を軸にしつつ、徐々に若いタレントを組み込んでいく形を取る必要がある。

森保監督も「東京五輪世代の若い世代でも、チャンスを与えるべき選手にはチャンスを与えたい」と意欲的で、来年1月のアジアカップ(UAEで開催)などでの大胆な引き上げも考えている様子。世代間の融合をどう図っていくか。そこは森保ジャパンに課せられた最大の命題と言っていい。

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