日本代表、森保監督が目指すべき理想は何か 未来の代表監督を育てる環境は必須のはずだ

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森保一監督は1968年8月、長崎県生まれ。現役時代は主にサンフレッチェ広島で活躍。2003年に現役引退後は指導者に転身。2012-17年には古巣・広島の監督として指揮を執り、就任5年半で3度のJ1優勝。代表兼任監督はフィリップ・トルシエ氏以来となる(編集部撮影)

世代交代と同時に森保ジャパンに求められるのは、将来的に代表監督を担えるような指導者の養成である。

東京五輪を目指すU-21代表のコーチングスタッフ(昨年秋に発足)は目下、森保監督のもとで、サンフレッチェ広島時代にも指揮官をサポートしていた横内昭展コーチ、下田崇GKコーチ、松本良一フィジカルコーチのほか、2000年から日本サッカー協会の各年代別代表で分析担当として働いてきた和田一郎コーチを含めた合計5人体制となっている。

だが、A代表と2つのチームを見るには明らかに足りない。

「A代表がスタートするキリンカップ(9月7日のチリ戦=札幌)は、すぐにスタッフ編成することはできないので、東京五輪代表に関わっているスタッフでやっていく。

ただ今後は、フリーである方、仕事をされている方、全ての方を選択肢としたい。『最高で最強のスタッフ』になるようにしっかりと考えながら編成していきたいと思っています」と森保監督が語ったように、将来性ある有能なスタッフを加えていく必要は間違いなくある。

森保監督に足りないものをどう補うのか

西野前監督はロシア大会に挑むに当たり、長谷部や本田ら海外組の実績と経験を最大限尊重し、彼らの意見を汲む形でチームを作っていった。次の代表はそこまで強烈なパーソナリティを持つ選手は少なくなるだろう。

森保監督も1994年アメリカワールドカップ出場をあと一歩のところで断たれた1993年10月28日の「ドーハの悲劇」の生き証人であり、強靭なメンタリティを備えている。しかしながら、真の意味で世界基準を理解し、リーダーシップやカリスマ性を持ってチームを主導できるかは、まだ未知数だろう。

というのも、日本代表を日本人監督が率いる場合、最も重視されるのがJリーグでの実績だからだ。西野前監督も森保監督もその条件をクリアしているから選ばれている。とはいえ、この2人は選手として日本代表としてワールドカップに出場した経験もなければ、海外リーグでプレーした経験もない。加えていえば、海外チームでの指導経験も皆無だ。そこはどうしても見劣りする部分と言わざるを得ない。

だからこそ、ワールドカップ、あるいは海外リーグの経験を積んだ指導者をスタッフ入りさせることは、森保監督に足りないものを補うという意味で有効な手ではないか。

そういう人材と二人三脚で代表をマネージメントしていくことで、「森保監督後」へとスムーズに移行できる体制も構築できるはずだ。

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