大学時代の先輩からの保険勧誘は大丈夫か 生保の「GNP営業」を受け入れる人の末路

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つまり、保険会社の営業職は、そのほとんどが「あなたの人生のお金についてのアドバイザーではない」ということです。彼らの仕事は、あくまで保険を販売することです。顧客の最善の利益のために働いているのではなく、売るために営業をしているのです。この点を理解すべきです。特に、顧客にとっての利益ばかりを強調するような「まやかしのセールストーク」に乗せられてはいけません。

そして、保険営業の方にもぜひお伝えしたいのです。プロならプロらしく、商品性、商品のリスクとコストをしっかりと伝えてください。デメリットまで理解してもらった上で、契約をしてください。

保険は途中で解約すると大損します。顧客が「こんなはずじゃなかった」と途中で解約するようなことにならないようにしてください。保険会社にとっても解約されると損でしょう。そうならないために、説明責任を果たしてください。

「保険の鉄則」とは何か

もちろん、私たち消費者も、気をつけることはあります。相談を受けていると、多くの人が、「自分にとって都合の良いことだけしか聞いていない」ことに気がつきます。

例えば、「定期貯金に預けていても全くお金は増えませんけど、外貨建て保険だったら、金利が高いので15年後には返戻率が120パーセントになるみたいです」という理解をしていたりします。

ここでいう「120%」はあくまで外貨ベースでの返戻率であることはすっ飛んで、頭に残っているのは、「いいこと」だけなのです。円安に賭けていると言えばそれまでですが、今後の為替変動によっては、高い利率も吹き飛んでしまいます。

主観だけで判断しないで、客観的に商品を見てください。保険営業の人は、自社の商品についてのセールスのプロであるだけで、あなたの人生のお金のアドバイスをしてくれるプロではありません。何が本当に必要なのかは、あなた自身にしかわかりません。

勧められるままに買うのではく、本当に必要なのか、自分にとってもっとも相応しい商品なのか、他の商品と比較検討して、自分で選んでください。そもそも内容を理解できない金融商品は買うべきではありません。保険は、必要な保障をなるべく安く、必要最低限を持つこと。貯蓄と保障は別に考えること。これが鉄則です。

岩城 みずほ ファイナンシャルプランナー・CFPⓇ

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いわき・みずほ / Mizuho Iwaki

特定非営利活動法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、お客様の利益を最大限に、中立的な立場でのコンサルティングほか、講演、執筆を行っている。
慶応義塾大学卒。NHK松山放送局を経て、フリーアナウンサーとして14年間活動後、会社員を経てFPとして独立。著書に増補改訂版『人生にお金はいくら必要か』(山崎元氏と共著・東洋経済新報社)、『やってはいけない!老後の資産運用』(ビジネス社)、『「保険でお金を増やす」はリスクがいっぱい』(日本経済新聞出版社)、『結局、老後2000万円問題ってどうなったんですか?』(サンマーク出版)ほか多数。HP

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