大学時代の先輩からの保険勧誘は大丈夫か

生保の「GNP営業」を受け入れる人の末路

私は、話を聞くうちに、若い世代の保険加入には、「独特のノリ」があることを感じました。前出の大学院生、横山みのりさんの当時のバイト仲間6人は、なんと全員、その先輩から保険を買ったそうです。

「なんか『ネズミ講』みたいな感じですよね」

彼女は、給与体系が歩合制だという先輩が、後輩や仲間に次々保険を売っていく姿をそんな風に表現していました。
3人目に出てきた田口さんも「飲み会で、じゃあ、みんなで入ってやろうぜっていう感じになって、なんとなく入ってしまいました」と、当時を振り返ります。

しかし、ノリで入るにしては大きな買い物です。今はしっかり資産形成をすべき時期なのに、保険料が高くて貯蓄もままならない。使う確率の極めて少ない医療保険や、コストが高く満期まで引き出せない貯蓄性保険にお金を置いて置くことは、正しい選択とは思えません。

「保険でお金が貯まる」と考えるのは大きな間違い

まず、消費者として押さえておきたいのは、売り手である保険営業とは利益相反(一方の利益が他方の不利益になる)になりかねない、という厳然たる事実です。保険会社の社員となった先輩や友人も、生保レデイもライフプランナーもFPも、みんなとにかく「売りたい」人が多いのです。

子供が生まれたタイミングで、夫婦で12もの保険に入った石黒さんは、「いろいろライプランニングをしてくれて信用して加入したんですけど」と言っていましたが、考えて見てください。まだ貯蓄の少ない、若い世代にとって重要なのは、貯蓄を増やしていくことと、必要な時にすぐに使える「流動性」です。

当たり前ですが、限られた手取りの中から保険料を支払えば、貯蓄に回せるお金が少なくなります。現に石黒さんの現在の貯蓄は、よく見ると事実上「低解約返戻型終身保険」「米ドル建終身保険」の中のお金だけです。しかも、今後まとまった現金が必要になれば、そのうちの「米ドル建終身保険」から、利回り以上の利息を支払って、契約者借り入れをするしかありません。米ドル建てなので、為替手数料も必要です。

そもそも「低解約返戻型終身保険」は、低解約返戻金型という通り、保険料を抑えるために保険料を払っている期間は返戻金を低く設定しているので、お金の貯まりが悪い商品です。借り入れできる金額すら貯まっていない状態です。

お金の大きなメリットは、必要な時に、いつでも何にでも自由に使えることなのに、コストを支払ってその特性を台無しにしているのです!

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