再建中のシャープ、「IGZO」で攻勢狙う 高橋社長、4~9月期決算に自信見せる

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――足元ではテレビ向け液晶パネルの需給がかなり緩んできているようだが、工場の稼働状況と利益の見通しを教えてほしい。

高橋社長 テレビの工場は大きく二つあり、堺工場の60インチ以上、あと亀山第2工場で32インチ、52インチ等というのがある。堺に関しては、稼働率89割で安定している。そこで大きな変動はないと考えている。32インチに関しては、現在、市場価格の下落が続いている。ただし現時点においては、原価割れの状況にまではきていない。ただし、今後ますます落ちていくという想定はしておかなければならない。

そこをカバーする一つが、中小型液晶への転換。もう一つは32インチ以外のパネルとのモデルミックスを変えていく。それから4K2Kであるとか、クアトロンプロとかといった高付加価値のパネルにシフトしていく。この3種類の方法でもって、亀山第2の一般の32インチの厳しい状況を乗り切っていこうと考えている。

スマホ事業の撤退は考えず

――海外のポーランド、メキシコの工場売却の進捗状況は。

高橋社長 現在、テレビはアメリカでけっこう売れているため、メキシコ工場を手放すということは考えていない。ポーランドは生産量を減らしていくことも含めてやろうとしているが、現在具体的に売却が決まっていることはない。

 ――携帯電話でパナソニック、NECが事業撤退、事業縮小を発表している。御社は年間計画を据え置いているが、携帯電話の事業環境をどう考えているか。数字を据え置いた理由は。

高橋社長 携帯事業そのものについては、通信の事業として非常に重要視している。スマホだけでなく、白モノ、自動車などいろんなところで必要なテクノロジーだ。そのため、スマホ事業がしんどいから、すぐに撤退という選択肢は考えていない。

 確かにアイフォーンなどの動きがあり、厳しくはなっている。ただし当初計画では年間680万台だったが、前回550万台にしている。そのため、さらに下振れるとは考えていない。この秋冬モデルについては、当初考えていたとおりの動きと考えている。

(撮影:尾形文繁、梅谷秀司)

許斐 健太 『会社四季報 業界地図』 編集長

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このみ けんた / Kenta Konomi

慶応義塾大学卒業後、PHP研究所を経て東洋経済新報社に入社。電機業界担当記者や『業界地図』編集長を経て、『週刊東洋経済』副編集長として『「食える子」を育てる』『ライフ・シフト実践編』などを担当。2021年秋リリースの「業界地図デジタル」プロジェクトマネジャー、2022年秋より「業界地図」編集長を兼務。

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