最高益更新のJT、それでも大リストラ 国内たばこ4工場を閉鎖、人員は2割弱を削減

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需要縮小の原因は、健康意識の高まりやたばこ税の増税による値上げが考えられる。増税による影響は著しく、過去最大の増税幅となった10年度の国内総需要は前年度比で約1割減少した。小売価格を見ると、96年に1箱220円だったマイルドセブン(現メビウス)は、5度の値上げで現在は410円になっている。

12年度のJTのたばこ販売数量は、「マイルドセブン」から「メビウス」への名称の変更効果で前期比約7%増と盛り返したが、総数1162億本は国内総需要がピークだった96年の2706億本と比べて半分以下の水準だ。

10月30日の会見で国内工場閉鎖など、たばこ事業再編を説明する佐伯副社長(写真右)

市場縮小を受けて、国内工場の生産能力の適正化や営業体制の集約が不可避となったといえる。たとえば、今回閉鎖する4工場の一つである郡山工場は、最大の生産数量が年間195億本(04年度)で、12年度の実績は年間130億本と稼働率の低下が課題だった。今回、全国に9カ所あるたばこ工場のうち4つを閉鎖し、過剰な生産能力を縮小する。

 海外のたばこ販売比率は5割弱に上昇

国内にある約半数の工場を廃止すれば販売数量への影響も懸念されるが、「残りの工場で適正数量はまかなえる」(IR広報部)と、総需要の減少よりも大きな販売数量減を見込んでいるわけではない。

10月31日の中間決算会見で宮崎秀樹副社長は、「今回(希望退職を)応募して、企業として健全に成長していくことで安定雇用につなげる。企業の体力がある今なら、退職一時金の割増しや再雇用に関しても十分なサポートをしていける」と語った。

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