ホームステイで伸びる子に共通する「姿勢」 せっかくの時間と費用を無駄にしないために
名古屋から参加した中学校1年生のHさんは、ホストファミリーが話している会話を一生懸命に聞こうと、話の輪の中に加わる努力をしたと言います。家族の会話は固有名詞も多く、速くてHさんにはわからなかったでしょうに、わかろうとして必死に耳を傾けていました。すると途中、Hさんが理解していないと気づいたホストマザーは、彼女がわかるようにゆっくりと説明してくれたといいます。
日本に戻ってきたHさんが英語でコミュニケーションする様子を見てみると、単語をふんだんに使っていて、顔の表情も生き生き。ボディランゲージも多用していました。その様子からは、自分が言いたいことはなんとしても伝えようとする態度が伝わってきます。それがホストファミリーにも通じていたのです。ホストファミリーも積極的にHさんとコミュニケーションしようと、会話も進みます。Hさんの英語の力もどんどんついていきました。
ホストファミリーに受け入れてもらうには
一方、中学校2年生のKさんは、ホストファミリーになかなか溶け込めずにいました。「私がやりたいことを理解してもらえない。ホストファミリーが言ってくるのは私がしたくないことばかり」と、いまにも泣きそう。どうやら彼女とホストファミリーの間には誤解がいくつかあり、Kさんはホストファミリーに対して心を開けなくなってしまったようでした。
一つひとつの誤解を解いていくと、「な~んだ」と涙は消えてすっきりした様子。ホストファミリーにもわだかまりが残った様子でしたので、そちらにも説明をして納得してもらいました。誤解が起きたとはいえ、コミュニケーションする態度がないとホストファミリーにも受け入れられませんから、居場所がなくなってしまい楽しく日々を過ごせません。
ホームステイに参加する理由はそれぞれです。「海外の家庭生活を経験してみたい」「実際に英語を使ってみたい」「アメリカで本場の野球を見てみたい」などなど、子どもの動機は多岐にわたります。海外に留学したり、海外で仕事をしたりすることを望む日本の若者が減りつつある中、海外の生活を経験してみたいと思う10代は、頼もしいかぎりです。
しかし、参加する子どもの中には、「親に行けと言われたから」「親が勝手に申し込んだ」などと、自分の意思で申し込んだのではないケースがあるのも事実です。本人の意思に関係なく、保護者が申し込んだというわけです。
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