ホームステイで伸びる子に共通する「姿勢」 せっかくの時間と費用を無駄にしないために

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野球少年の中学校1年生、S君もそうでした。ホームステイを始めてから5日後、彼のホストマザーが「何も話さないし、家族と何もしようとしない」と困った様子で引率者に連絡してきました。話を聞いてみると、「僕は来たくなかった。部活の夏練習に行きたかったのに、親が行けと言うから来た」とのこと。これでは英語を話すどころではありません。ホームステイを楽しもうとする意思はなく、ホストファミリーに対しても背中を向けるありさまで、S君はもとよりホストファミリーがお手上げ状態。「もう帰ってもらいたい」と、断られてしまいました。

日常生活で、人への興味を持てない子どもはホームステイへの参加は難しいでしょう。自分から人に話しかけない、人と目を合わせない、ゲームばかりして人とかかわらない、同じ世代の仲間とは話せるけれど大人とは話ができない――。このような子どもは今の日本では珍しくありませんが、このような人はホームステイには向いていません。

ホームステイで学ぶのは英語だけではない

現地のホストファミリーは、日本の子どものために存在するのではありません。ホストファミリーも、その子を受入れることを楽しいと思えないと、一緒に生活するのは厳しいでしょう。それは反対の立場になって考えてみればよく理解できます。

ホームステイで学ぶことは何も英語だけではありません。生活を通じて異文化を知るチャンスです。生活様式、食生活、時間の使い方、家族・人間関係、自然、気候、宗教など、日常とは異なるものに出会いますが、それらを受け入れる柔軟な態度が求められます。

「アメリカの家庭では、Bathroom(トイレ)のドアは人が入っていないときは開けていた。最初は嫌だったけれど、しばらくすると我慢できるようになって、いつの間にか自分も開け放していた」。笑いながら報告してくれた中学校2年生のO君は、日本に帰ってもしばらくは、家のトイレのドアを開けっ放しにしていたそうです。

「寝るときには『I love you!』と親子で言い合っていたのには驚いた。私は父親に『I love you!』なんて絶対に言わない! けれども『I love you!』はすてきな言葉だから、帰ったら家族に言ってみようと思う」と話していたのは中学校1年生のMさんです。

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