JAL、やっと念願の「5つ星」を獲得できた理由 複数社が最高評価を受けたのは日本だけ

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では、現在「5つ星」にある航空会社全11社を紹介してみよう(英文名のアルファベット順)

スカイトラックス・5つ星の航空会社(2018年7月現在)

全日本空輸(2013年以降、6年連続)
アシアナ航空(2007年以降、12年連続)
キャセイパシフィック航空(2006年以降、13年連続。それ以前に2度獲得あり)
エティハド航空(2016年以降、3年連続)
エバー航空(2016年以降、3年連続)
ガルーダ・インドネシア航空(2014年以降、5年連続)
海南航空(2010年以降、9年連続)
日本航空(2018年に初獲得)
ルフトハンザドイツ航空 (2017年以降、2年連続)
カタール航空(2006年以降、13年連続)
シンガポール航空(2006年以降、13年連続。それ以前に2度獲得あり)

ちなみに今年の総合力で最も優れた航空会社に贈られる「ワールド・エアライン・アワード」にはシンガポール航空が選出された。2位はカタール航空、3位はANAがそれぞれ選ばれている。

以下は赤坂社長に「5つ星」を獲得した感想を直撃した。

「サービスが他社より劣っていたわけではない」

――念願の「5つ星」が獲得できた感想は?

赤坂:今回の「5つ星」獲得により、世界のトップ10として肩を並べることになったのは本当によかった。

過去に「5つ星」を得ている航空会社(昨年までに10社)の顔ぶれを見ると、われわれ(JAL)がそれらの会社と比べ、サービスなどが決して劣っているとは思っていない。ところがこれまでなかなか「5つ星」を得るだけの評価に至らず、とても悔しい思いをしていた。

正直なところ、社員たちが「どうしてわれわれは5つ星を取れないのだ?」と気にかけていたこともまた事実だ。そういう意味で、当社がこうした形で「5つ星航空会社」として認められたことについて、私として非常にほっとしている。

JALは今年のスカイトラックス授賞式で「ベスト・エコノミークラス・エアラインシート」を2年連続3回目で受賞した(ロンドン市内にて筆者撮影)

――「5つ星」を得るため、なにか具体的な施策を行ってきたのか。

赤坂:「5つ星」を得るために、特別なことをやったつもりはない。
客観的に見て、JALのサービスは独特で、欧米の皆さんの評価を受けにくい部分もたくさんあったように思える。

その辺りの「(日本人と外国人が考えるサービスの)違いの存在」についてわれわれは自覚していたし、その中で変えなければならないことは変えてきた。何もかもを外国流にしないで、やはり「(日本流のサービスにも)いいものはいい」ところがあると信じている。

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