――東京五輪など大きなイベントを控えた、このタイミングでの「5つ星」獲得の意義とは?
赤坂:今回の「5つ星」獲得は、遅すぎもせず、早すぎもせずとてもいいタイミングだったように感じている。これからいよいよ東京五輪を控えたこの時期に「5つ星が取れた」のは対外的なアピールを進めるうえで大きな力となる。
スカイトラックスの審査員らのスタンダードに合うようにサービスの仕組みを変えていたら、あるいはもっと早く獲得できていたかもしれない。
しかし、われわれとしてできることとできないことがある。それらを長期にわたってスカイトラックスとコミュニケーションを取りながら、また、自分たちのサービスを見てもらいながら、じっくりと進めてきた結果が今回の獲得につながったと考えている。
11社の中でも上位を目指したい
――今後のステップは?
赤坂:「5つ星」が取れたことで、社員に対して「われわれのサービスを作り上げるため、これまで進めてきたことは間違っていなかった」というメッセージを私から示すことができる。それは大きな収穫だ。
今回、われわれは「5つ星」という最高の水準に立てたわけだが、今後は11社の「5つ星航空会社」の中でも、つねに上位にいるような形に進めていきたい。
航空会社というのはBtoCのビジネスで、お客様あっての商売なのでいろいろな総合的な見方において評価をされるべきで、「どこかの評価が著しく悪い」というようなことがあってはならない。世の中にはスカイトラックスだけでなく、別の評価もある。スカイトラックスの「5つ星」が絶対的な評価でもなく、ひとつの見かたでしかない。したがって、いろいろな角度のどこから見てもトップ水準にあることが必要だと考えている。
そういった背景を考えると、スカイトラックスの「5つ星」を取る目的だけに絞って、「サービスの形を変えるのはよくないこと、足りないこと」と言い続けてきた。また今回、「5つ星」が獲得できたことにより「これでわれわれのサービスは十分な水準に達した」などと思ってはならない、と強く感じている。
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「JALに乗る英国人の反応は、昔といまでは急激に変わりましたね。以前の日本人向けに特化したサービスはイマイチ好かれなかったのに、いまでは『機内に足を踏み入れた途端、日本にもう着いたようだ』って喜んでくれるんです。最近のサービスのほうがむしろベタベタな日本のスタイルじゃないのに。面白いですよね」
授賞式のあと、JALに20年近く勤める英国人のベテランキャビンアテンダントがこう話してくれた。
JALは今回の「5つ星」獲得に際して出した声明文の終わりに、「世界でいちばん選ばれ、愛される航空会社を目指す」と記している。日本流スタイルを軸にしっかり守りつつ、幅広い海外の人々のニーズを受け入れながら、サービスを向上させていくことが今後の課題といえるだろう。
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