シンガポールに出現した「無人空港」の凄み チャンギ空港第4ターミナルが示す近未来
空港独特の慌ただしさはなく、ただ機械が整然と並んでいるだけ。今年10月末にオープンしたばかりのシンガポール・チャンギ国際空港の第4ターミナルに足を踏み入れると、近未来感があふれる光景が広がっていた。
チャンギ空港といえば、世界有数のハブ空港として知られる。12月18日には、年間旅客数で初めて6000万人を超えたことを発表。日本の成田空港は2016年の旅客数が約3900万人。羽田空港は昨年8000万人を突破したが、大半が国内線で国際線は1500万人にとどまる。
出発フロアは人がまばら、機械がずらり
第2ターミナルからシャトルバスで10分ほどの第4ターミナル。出発フロアに入るとまず気づくのは、有人カウンターがほとんどないこと。航空会社の搭乗手続き(チェックイン)や手荷物預けは原則、乗客自らが機械で行う。フロアには、65のチェックインキオスクと50の自動手荷物預け機がずらりと並ぶ。
チェックインキオスクは頻繁に飛行機を利用する人には、すでに馴染みがあるだろう。航空券の予約番号を入力するか、パスポートをスキャンして、予約確認や座席指定を行い、搭乗券と手荷物預け用タグを印刷する。
印刷されたタグをスーツケースなどの手荷物に付けると、今度はすぐそばの自動手荷物預け機に移動する。乗客の写真が撮られ、パスポートの写真と一致するかを機械が確認。承認されれば、空港の手荷物コンベアに流れていく。
身軽になったところで、出国審査ゲートに向かう。日本であれば審査官がパスポートや搭乗券をチェックするところだが、ここにも人はいない。手荷物預け機と同様、ゲートに内蔵されたカメラが顔写真を撮影し、パスポートと照合。さらに指紋認証も行われ、承認されるとゲートが開く。
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