LCCピーチが描く「脱エアライン」戦略の真意 個人と個人をつなぐ「旅行検索アプリ」で稼ぐ
ANAホールディングス傘下のLCC(格安航空会社)、ピーチ・アビエーションが、2018年春から従来の航空ビジネスの枠を超えた新規事業を始める。
「旅の予約市場にイノベーションを起こします」。ピーチの井上慎一CEOがそう言って明かした構想は、個人が誰でも好きな旅行プランを投稿し、それを気に入ったほかの人が一括予約できるプラットフォームだった。プランに必要な航空券、ホテル、レンタカーやアクティビティをボタン1つで予約できるようにするという。
きっかけは”インスタグラマー”の旅
「COTABI(コタビ)」と名付けたウェブサイトを開くと、独身男性、独身女性、カップル、ファミリーなどといったイメージの写真が並ぶ。自分が当てはまる属性を選ぶと、該当する個人の写真がずらりと現れる。そこから趣味の合いそうな人を選び、各々の人が企画したプランを探していくという具合だ。11月に試験的に開設したサイトではまだ一括予約できないが、先行提携した米Airbnb(エアビーアンドビー)の民泊物件を予約できる。
きっかけは今年3月に実施したチケットのセールだった。「来週の女子会は、ソウルで焼き肉」「温泉に入りたいわ(ん)!」「前髪切りに行くためだけに、表参道。」「〆は福岡で博多ラーメン!」――。
写真投稿SNS・インスタグラムで人気のユーザーを起用し、”インスタ映え”する写真や旅程を紹介しながら、毎日異なるテーマで異なる行き先への航空券を割引販売した。すると、前年同月のセールに比べて売り上げが2.4倍にハネ上がった。
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