豪雨被災地「アレルギー患者」が直面する危機 命にも関わることだが後回しにされている

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当初、三原市の避難所にはアレルギー対応食がほとんどなかった。そこで、地元のアレルギー患者会「三原アレルギーの会ひだまり」が備蓄していたアレルギー対応のアルファ化米100食を持ち寄り、さらに日本小児アレルギー学会や各地の患者会などに支援を呼び掛け、被災から5日ほど経って数百食分を確保。三原市社会福祉協議会の部屋を借り、集まったものを整理していたのだ。

ただ、「ここに食料があることをどうやって知ってもらうか、取りに来られない人にはどうやって届けたらいいのかわからない」と「ひだまり」メンバーの沖のり子さんと中尾みゆきさんは困惑していた。

「保健福祉課」が窓口に

「今も断水が続いている本郷地区は、ここから車で30分ぐらいの距離。現地で小さい子を抱えている母親は簡単に移動ができない」。自らも4歳と2歳の娘を連れた沖さんは訴える。

アレルギー用ミルクなども全国から届いている(筆者撮影)

「ひだまり」のメンバーは三原市を中心に東広島市や尾道市などに約40人。しかし、つねに連絡の取り合える仲間は限られ、メンバー以外にも困っている親子はいるはず。そうした人たちが避難所でどう過ごしているのか……。

市に現状を把握してくれるよう頼んだが、「保健福祉部」の中で「社会福祉課」から「子育て支援課」……とたらい回しのようにされて、ようやく「保健福祉課」が窓口になってくれた。

ただ、実際に本郷地区の避難所の1つを訪れると、罹災証明書の届け出や災害ごみの収集などに関する張り紙にまぎれて「災害用アレルギー除去食が必要な方は保健福祉課へ」とホワイトボードに小さく書き込まれている程度だった。

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