前代未聞の「危険な集中豪雨」が起こった理由

梅雨前線に台風、さまざまな要因が同時多発

岡山県倉敷市真備町は付近の河川が氾濫し、町全体が冠水する事態となった(写真:共同通信社)

6月末に発生した台風7号をきっかけに、記録的豪雨が7月上旬まで日本各地を襲い、甚大な被害をもたらした。総務省消防庁によれば、死者168人、行方不明者57人、住宅被害は全壊87棟、半壊48棟、床上浸水7938棟、床下浸水1万3895棟(7月11日13時45分時点)となっている。

さらに国土交通省によれば、岡山県倉敷市真備町・小田川や徳島県・吉野川の堤防決壊など、河川の氾濫は16件、それに伴う道路や橋梁の流失、土石流、地滑り、崖崩れなどの土砂災害も448件確認されている(7月11日6時時点)。被災地域は7月3日に石狩川が氾濫した北海道西部から九州北部、中国、四国、近畿、東海と極めて広範囲にわたり、大きなダメージを与えた。

雨量も観測史上最大となった地域が多数だ。高知県馬路村では6月28日~7月8日の11日間で1845ミリメートルの降雨を観測している。高知県の平均年間降水量は2547ミリ。半年分以上が10日間で一気に降ったことになる。過去の月間最大降水量は2014年8月の1561ミリで、これと比べても今回の豪雨がいかに記録的であったかがよくわかる。

梅雨前線、台風、太平洋高気圧が組み合わさった

気象庁による詳細な解析は7月9日に始まったばかりだが、ざっくりとした見立てでは、梅雨前線と台風7号、太平洋高気圧に沿って流れる気流の3つが主な要因とみられる。

6月末に日本海上にあった梅雨前線が、大陸の高気圧に押されて徐々に南下し、九州北部から中国、四国、近畿、東海、関東を抜けて太平洋側まで広い範囲に停滞した。一方、台風7号が日本海に入って温帯低気圧に変わり、梅雨前線を刺激して北海道西部に大雨を降らせた。

その間、太平洋上にある高気圧の縁を伝う暖かい気流(縁辺流)が沖縄近海にたまっていた水蒸気を道連れにして北上し、梅雨前線とぶつかって雨を降らせた。これだけなら梅雨末期によくある集中豪雨、あるいは長雨のパターンにも見えるが、今回の特徴は、沖縄西方の海上の水蒸気が通常より非常に多かったことだ。

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