医師不足解消のためにやるべきこと キャリアコンサルタントが考える、医師不足

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医学生、研修医に抱く懸念

われわれは医学生からベテランの医師まで、さまざまな年齢層の方々のキャリアの節目にお付き合いし、相談を受けていると、本当に「日本の医療は大丈夫なのだろうか??」という懸念を抱くことがあります。それは次に挙げるような方々が増えているからです。

医学生の場合は、
・自分で何をやりたいか、何が適しているかわからない
・忙しく働くのが嫌で、とにかく楽な科目を目指したい
・そもそも医師ではなくIT業界などに興味がある

研修医の場合
・医学生と同様、自分の専門科目が決まらない
・忙しい病院に身を置き、うつなどにより休職をした
・奨学金を返すべく、とにかく条件重視で就職先を考える

私のように転職支援をする立場からすると、自分のことを理解せず何が適しているかわからない医学生や医師に、適切な就職先、転職先をアドバイスすることはできません。また医師という職業自体にあまり興味がなかったり、医師の給与のよさや、いかに楽をして稼げるかという考えを持つ方には、どんな就職先も合わない可能性があります。それゆえ、われわれは医師(医学生を含む)の無料のキャリア相談や勉強会を開催したり、科目選択や将来を考えるうえでのアセスメントを行ったりしています。そこでは時には励まし、鼓舞してりっぱに医師をやっていただけるよう応援もしております。

本来であれば自己分析などをして自分を見つめさせることや、キャリアの相談に乗るのは、大学や職場の役割。それが機能しておらず、医師・医学生は将来のビジョンが描けず、また医師という職業を非常に狭いイメージでとらえてしまっています。一人ひとりの可能性や適性を見ることをせず、医師が不足しているから「とにかくウチの医局や病院を見においで」という誘いを繰り返しているだけでは、双方が不幸となるミスマッチを招き、それが医師の適正配置を妨げているのです。

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