フィンテックで継続的に投資利益を出す方法 初心者が知るべき「システムトレード」とは?

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システマティックトレーディングは、アメリカの「アポロ計画」に参画した技術者が計画終了後に金融業界に転身したことにより、格段に進歩します。アポロ計画当時は通信技術が未熟であったため、ロケットはいったん打ち上げられると、NASAの管制局との通信が十分にできませんでした。したがって、前もって決められた航路に対して、現在位置と気象条件を考慮して進路を調整する必要があります。しかしロケットは音速以上のスピードで移動しますので、この運用はコンピュータに委ねられました。この技術は「過去の価格推移を捉え、さまざまな市場環境で投資のタイミングを決定する」という金融投資に、応用できるものだったのです。

どのテクニカル分析を選択すると一番儲かるのか?

人間が投資判断をする際には、経済指標の発表、お気に入りのアナリストのコメント、企業の業績予想発表など、さまざまな情報を考慮して決定します。特にポジションを保有している場合は「利食い」や「損切り」の決断が重要になりますが、そこにはどうしても恣意的な判断が入ってしまいます。

こういった恣意性を可能な限り排除するために、過去の価格データから売買指標を発信するテクニカル分析は非常に重要です。またテクニカル分析に基づく投資判断(買い、売り、その数量の決定)は、過去の期間を用いて有効性を検証すること(バックテスト)が可能です。

もちろん過去の結果が将来を保証するわけではありませんが、少なくとも客観的な有効性を把握することができます。また単一の分析がすべての局面で有効であるケースは少ないため、実際の投資においては複数の異なる指標を用いて値動きを多面的に捉えることが重要です。ここで残る問題はどのテクニカル分析を選択し、各々の分析でどのパラメーター(2つ以上の変数間の関数関係を間接に表すために用いる、補助の変数)を採用するかということになります。

個々のテクニカル分析についてはさまざまな開発者がセミナーやWEB等を通してその有効性をアピールしています。しかし、それらは本当に機能するのでしょうか。

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