熟年パパの「健康リテラシー」が超重要なワケ 健康診断の数値を「見るだけ」では意味なし

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熟年パパが健康リスクを避けるために必要な考え方とは?(写真:プラナ/PIXTA)
まだ幼い子を抱えている熟年パパ世代は、「子どもが成人するまで、しっかり働いて稼がねば」と考えているもの。働き盛りの40代は毎日忙しく、毎年の健康診断で良くない数字が出ても、「今は仕事が大事だし、まだ大丈夫だろう」と放置するケースも少なくはないでしょう。
しかし、生活習慣病をはじめとする、数々の病気の兆しが見えてくるのは、この世代からなのです。厚生労働省が2015年に発表した「国民健康・栄養調査」の結果によれば、『「糖尿病が強く疑われる者」の割合』は、20〜30代までは全体の1.8%と低い数字ですが、40代では7.3%に急増し、50代で一気に18.8%へと増加。60代以降では20%超となり、実に5人に1人が、糖尿病を疑われています。
40代は体調に変化が訪れる境目の時期。しかし、ここでしっかりケアをしておけば、病気の予防や早期発見につなげることができるのです。今回は、生活習慣病の研究を続けている東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢教授に「熟年パパが健康リスクを避けるために必要な考え方」についてお伺いしました。

薬ではなく、“健康リテラシー”が生活習慣病のカギ

『東大が調べてわかった 衰えない人の生活習慣』の著者であり、新概念「フレイル」を軸とした予防施策の提唱者でもある飯島勝矢教授。東大の老年病科外来に加え、一般クリニックの外来受診も手がけ、30代から40代の患者も数多く受診してきた飯島教授は、「生活習慣病になる人には、一つの傾向がある」と話します。

「30代、40代でも健康診断の結果を気にして病院を訪れる人はそれなりにいます。医師によっては、早期から血圧やコレステロールの数値を改善する薬を処方し、様子を見るケースもありますが、よくあるのは、『薬で数値が下がった』と安心し、自らの生活は何も改善しないパターンです。数値が下がったのは、あくまで薬で抑えているから。飲むことをやめれば当然元に戻りますし、飲み続けても、以前と同じ不摂生な生活を続ければやがて抑えきれなくなり、さらに薬を増やすことになってしまいます。問題は本人のマインドにあり、改善のためにセルフリミッターをかけられるかどうかが重要なのです」(飯島教授)

加えて言えば、薬をゼロから1にしたときには劇的に数値が下がりますが、1を2倍に増やしたからといって、効果が2倍になるわけではなく、1.2~1.4倍程度の効果しか期待できないそうです。「薬があるから」と、自分の生活習慣を見直さずに脂っこい食事や運動ゼロ、お酒をたくさん飲むなどの生活を続ければ、どんどん薬が効かない体になっていくのです。

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