「お腹の肉」が本当に危ないこれだけの理由 問題は皮下脂肪ではなく、内臓脂肪

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英国の50歳以上の女性を対象とした健康調査「ミリオン・ウイメン・スタディ 」からは、20年のタイムスパンで冠状動脈性心疾患の発症とウエストの増加との間に直接的な関連があることが明らかになった。他のリスク要因を考慮に入れても、最もウエストが太いグループの女性たちが心疾患を起こす確率はそうでない女性の2倍だった。ウエストのサイズが5センチ増えるごとに、リスクは10%高くなったという。

腹部の脂肪によってがんのリスクも高まる。韓国で閉経後の女性を対象に行われた研究によれば、内臓脂肪の多い人はそうでない人に比べ、大腸がんにかかる確率はほぼ2倍で、乳がんでも同様だったという。3000人以上の女性を対象にインドで行われた研究では、閉経前か後かにかかわらず、ウエストとヒップのサイズの差が小さい女性は、正常体重の女性に比べて乳がんと診断されるリスクが3~4倍大きいとの結果が出た。

見逃せない腹部の肥満と認知症リスク

昨年発表されたオランダでの研究では、体脂肪全体と腹部脂肪の両方が乳がんのリスク増と関係していることが指摘された。女性が平均5.5キロ体重を減らすと、乳がんのバイオマーカーであるエストロゲンやレプチン、炎症性たんぱく質といった物質の数値が変化し、リスクが減ったことが確認されたという。

アメリカの女性の3人に2人は過体重もしくは肥満だ。つまり体重を減らすことは、アメリカの高い乳がん発症率を引き下げる唯一にして最高の武器だ。

個人や家族、そして医療システムへの負担という意味で最も重要なのは、腹部の肥満と将来的な認知症発症リスクの関係だろう。カリフォルニア州北部に住む6538人の、平均36年にわたる追跡データを分析した研究では、中年期の腹部の肥満が最もひどかった人々が30年後に認知症を発症した確率は、最も少なかった人々に比べて3倍近く高かった。

女性の場合、体重が正常値の枠内で、なおかつ心臓病や脳卒中、糖尿病といった認知症の発症リスクがない人であっても、腹部の肥満があると認知症リスクは高まった。

内臓脂肪が多いと、インスリン抵抗性が強まったり 2型糖尿病のリスクが増加したり、肺機能障害や片頭痛が起きたりもする。カリフォルニアの教員8万8000人を対象にした調査では、過体重、特に腹部肥満があるとぜん息のリスクまで上昇するとの結果が出ている。

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