日本人が積極的に「サバ缶」を食べだしたワケ

みそ汁からパスタ、炊き込みご飯まで

それなら、とクックパッドにも問い合わせてみた。するとサバ缶レシピの検索頻度は、水煮缶・みそ煮缶ともにすでに2012年から上昇を始めていることがわかった。人気が出始めていたのが、テレビの紹介でヒートアップしたということのようだ。2018年5月、6月の検索頻度は、前年の5月、6月と比べてそれぞれ2倍以上もある。

2018年の6月18日時点で、同社サイトのサバ缶を使った料理の人気トップ3は、「パスタ」「炊き込みご飯」「カレー」の順で、4位がサラダ、5位がご飯、みそ汁は6位。2017年までのみそ汁の順位は9位または10位なので、テレビ効果により人気が上昇したとみられる。それを除けば、上位は、つねにパスタやご飯ものなので、1品で簡単に済ませる食事の材料として使われているのではないかと考えられる。

「サバ缶」人気レシピは?

その傾向は、人気のレシピからもわかる。パスタの1位がトマト缶とニンニクを使う「鯖缶で!門外不出のトマトパスタ」、炊き込みご飯の1位が乾燥ひじきと白だしを加える「さば缶&ひじきde炊き込みご飯」、カレーの1位はトマト缶、タマネギ、ニンジン、ニンニクを使った「絶品!さば缶のトマトドライカレー」で、いずれもサバ缶をメイン食材として使い、あまり包丁を使わない簡単な料理ばかり。検索目的で多いキーワードも「アレンジ」「おつまみ」「丼」で、ササッと作ってすぐ食べたいときに、サバ缶レシピが検索されていることがわかる。

クックパッドで人気のChiyoji92さんの「鯖缶で!門外不出のトマトパスタ」(クックパッド提供)

それにしてもなぜ、サバ缶料理が急に人気になったのだろうか。考えられる理由は4つある。

1つは、クックパッドのレシピ検索の傾向からも読み取れる、時短ニーズだ。サバ缶は、ワタを取るなど魚につきものの下処理が必要ない。魚の出しがあるので、出しやスープの素などを使わなくても、うま味のある料理ができる。クックパッドの1位の料理のように、トマトと組み合わせればうま味は数倍にもなる。

2つ目は割安なこと。魚は肉に比べて割高なことが多いが、サバ缶なら100円台~200円台で買えるものが多い。

3つ目は不足しがちと言われる魚を食べられること。ここ数年、日本人の魚離れの傾向は新聞などでその深刻さが繰り返し取り上げられるほどで、一般的にも知られるようになってきた。『朝日新聞』は2012年4月4日付の夕刊で、この10年で全世代にわたって魚食から肉食へと移ったことを報じている。

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