18歳以下の女性を狙う卑劣な人身取引の実態

日本にも児童労働の深刻な問題が現実にある

もう1つ強調しておきたいのは、家族に任せておいたらいいという状況ではないということです。調査をしていると、家族という場所が徹底的に弱くなっていて、弱い家族に育てられた子どもたちが剥き身のままにさせられているという状況がありますので、具体的にどう子どもの育つ場所を補強できるかということを考えていかなければならないと考えています。

日本での児童労働をなくすため、私ができることは?

認定NPO法人ACEアドボカシーオフィサー 太田まさこさん:危険有害な労働への包括的な対応は現在あるのでしょうか? 実は、JKビジネスにかかわっている少女たちは、保護ではなくて補導されています。深夜外出、JKビジネス店への出入り、路上で制服を着て「JKお散歩」を勧誘するなど、これらの全てが補導の対象となっています。また、「サイバー補導(インターネット上で援助交際や下着の販売を持ちかけている子どもへの補導)」も行われています。保護やケア、リハビリテーションが不足しているのではないかということを指摘させていただきます。

また、私たちは児童労働に陥るリスクが高く、配慮が必要な子どもたちがいるのではないかと考えました。家庭的な背景をみると、虐待、ネグレクト、貧困、また一人親家庭では特に母子家庭は難しい問題を抱えています。学校での状況を見ると、いじめがあったり、校則が厳しかったり、学校の成績が良くなかったり、友達や先生との関係に問題があったり。こうした問題から、不登校、長期欠席、中途退学、自傷行為、引きこもりが起こったり、疎外感・孤独感・低い自己肯定感を持ってしまったりということが出てきていると考えられます。現在顕著になっている子どもに関する課題と児童労働の要因には強い繋がりがあるのではないかと思っています。まだ中間報告ですので、これから第2段階で深く見ていかなければなりません。

認定NPO法人ACE代表 岩附由香さん:2017年12月14日に、古河市下大野の中央鋼材古河工場で太陽光パネルの清掃作業中に天窓から転落し、15歳のアルバイトの女性が死亡したという事件が起き、我々は緊急声明(出典)を出させていただきました。「国連子どもの権利条約」の中には、どの国に生まれても平等に「生まれながら」にして権利(生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利など)を持つことが規定されています。そして、その権利を満たすのは大人だということも規定されていますから、私たちがこの問題に対してどうしていくのかを考え、解決していく責任があるのかなと思います。

また、日本の児童労働は、「子どもの権利」という観点だけではなく、「日本のビジネス」という観点からも問題になっていく可能性があります。実は諸外国では児童労働や強制労働によるものを使わない、あるいは企業のサプライチェーン(供給連鎖)にそういった児童労働や強制労働がないかどうかの確認を求める法律がどんどんとできてきています。その中で、日本企業もサプライヤー(供給者)として「あなたのサプライチェーンは大丈夫ですか?」ということが、中小企業さんも含め今問われています。そんな中、私たちが無関心でいると、実は日本企業の国際競争に影響してくる可能性のある問題でもあるのです。今日本国内でも「ビジネスと人権に関する指導原則の国別行動計画」(出典)の査定をしようという動きが出てきていますが、こういった世界の英国の現代奴隷法などに倣うような法律を日本でも作ることが、今求められていることではないかなと考えております。

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