18歳以下の女性を狙う卑劣な人身取引の実態

日本にも児童労働の深刻な問題が現実にある

「児童ポルノ」

一昨年から相談が徐々に増えている状況です。特に多いのがSNS。典型的な例を紹介すると、Twitterで仲良くなった方に、言葉巧みに誘導されて性的な写真を送ってしまうということがありました。写真を送信した後、加害者が被害者の名前でSNSのアカウントを開設し、「もっと過激な写真が欲しければいくらで売ります」というメッセージで発信されてしまい、本人も誰にも相談できず、ネットで相談先を探す中で当会に辿り着いたという事案です。本人と話をして、当会から保護者に説明を行い、三者で警察に行き、最終的に犯人が捕まったという形になります。

「JKビジネス」

児童買春の温床となっていると言われているものです。2017年から東京都で規制が始まり、どのような形になったのか、2017年の7月に客を装って秋葉原の方へ調査に行きました。ものの見事に、制服を着たJKの姿は消えておりました。全員がメイド服やアメリカンポリスのようなコスプレをして、「ガールズカフェ」という、いわゆる「1時間〇〇円でジュースとお菓子を食べながらお話ができます」というシステムで行っていました。そこで働いている女子高生20人ほどと話をしたところ、ほとんどの子が「特に困っていることはない」という回答でした。しかし、その日の調査で唯一「お散歩しませんか」と言ってきた子にいろいろ聞いていくと、お散歩中に体に触れる、性行為を行うなどの「裏オプション」と呼ばれるものが存在しており、それをしないとお金にならないということでした。もし1人もお客さんを取れなかった場合は、その日の収入はゼロ。形を変えて搾取の形態が残っているというのが現状です。

また、その他、「虐待や育児放棄が理由で家にいられない」「親が離婚してお母さんと一緒に住んでいるけれど、母親の新しい恋人から性暴力を振るわれる」など、様々な理由で家にいられない子どもが外に出ざるを得なくなります。その過程で、管理売春に取り込まれる危険が非常に高いということを、現場を通して感じています。

弱い立場につけ込む高校生・大学生のブラックバイト

首都圏青年ユニオン執行委員長 原田仁希さん:「首都圏青年ユニオン」は、若者の労働組合として活動しています。主には、労働問題を抱える若者の支援として、労働組合の権利(団体交渉権や団体行動権)を積極的に使って労働問題を解決しています。

首都圏青年ユニオン執行委員長 原田仁希さん(写真:GARDEN Journalism)

年間300件ほど労働相談が寄せられるのですが、ほとんどが労働基準法違反で、違法な働かせ方をしているというのが実態です。2015年頃に「ブラックバイト問題」が社会化・可視化されるようになった際、「ブラックバイト」の定義は「学生であることを尊重しないアルバイト」とされていました。しかし今では、広い意味で「法律が守られていないアルバイト(職場)」のことを「ブラックバイト」と言われるようになりました。いくつかの事例を紹介します。

ブラックバイトの事例1「高校生だから」

求人で見ると時給が1000円だったのが、実際に働いてみると時給が950円に。「時給1000円だったと思うんですけど」と聞くと、「あなたは高校生だから」と。高校生だというだけで著しく待遇が低くなる、完全に安く使われるということが、アルバイトの始まりからあります。

ブラックバイトの事例2「辞められない」

まず、人手不足で辞められないということがあります。「そろそろ辞めたいのですが」と伝えると「人手が足りていないから辞めないでくれ」と言われ、「それでも辞めないといけない」と言うと、「契約期間中だ。今辞めたら損害賠償するよ」と言われ辞められないということが。辞めることによって損害賠償が生じることはほとんどないにもかかわらず「損害賠償請求する」と脅されるケースです。また、「『給料取りに来い』と言われた」という相談もあります。バイトを辞められないから行かなくなってしまうと、「最後の月の給料は取りに来ないと渡さない」と言われたということです。これは給料未払いで、完全に法律違反です。また、正社員が長時間の過密労働をしているということで辞められないケースもあります。実は僕自身も大学時代にブラックバイトをしていたことがあるのですが、正社員の人がかなり過密でシフトも連続で入っていてすごく忙しいということを学生のバイトは見ているのです。すると、「正社員がかわいそうだ、自分が入らないといけない」という思いに駆られて辞められず、ズルズルと働いてしまって、勉強する時間も削がれてしまうということが相談として多いです。

次ページブラックバイトの事例その3
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