40歳主婦が夫の「転職うつ」で悟った「自立心」 家計年収1000万円のはずが収入激減の恐怖

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家計には800万円の貯蓄があることと、傷病手当金がもらえるので、すぐに家計が破綻することもなさそうです。「少し休んだらどうか」とのC子さんの提案に、夫も納得したのです。幸いにして、夫の会社では長期間の休職制度があるようでした。

夫は心療内科を受診することを決意。すると医師の診断はやはり「うつ病」でした。その結果、しばらく自宅療養をすることになりました。ちなみに民間の保険などでは、入院や通院した場合に給付金が支払われるのが一般的ですが、傷病手当金は自宅療養の場合にも支給されます。

また、うつ病などの精神疾患で通院する場合には、「自立支援医療制度」といって医療費が3割から1割負担になる制度があります。夫は定期的に通院する必要があったので、こちらの制度が使えるようお住いの市区町村の窓口で手続きすることをおすすめしました。

自動車も手放し、通信費もすべて見直した

C子さんは「しばらく自宅療養すれば、そのうち治るだろう」と思っていたそうですが、その思いとは裏腹に夫の病状はそう簡単にはよくなりません。日によっては、1日中寝ていたり、食事を全く摂らなかったりと、症状が重いときも。また、薬の効果で精神が安定してきた日が続いたと思いきや、その後は、数日落ち込みがひどくなるなど、良くなったり悪くなったりの繰り返し。

C子さんは、「夫の病気は長期戦になるかもしれない…」と不安でいっぱいになったそうです。収入が3分の2になり、家計は毎月10万円〜15万円程度の赤字になったことでまずは、固定費を見直すことにしました。

自動車を手放すことで、駐車場代や自動車税などの負担がなくなるので、年間約50万円の削減になりました。また、通信費の料金プランを見直し、月1万円の支出を削減し年間12万円減らし、これで年間通算62万円、月にすると5万円削減です。他にも食費や日用品など細かな費目も見直し、年間で80万円程度、月にすると7万円程度の削減に成功しました。

それでも毎月3万円〜5万円程度は、貯蓄から取り崩す生活でしたが、800万円貯蓄があるので、当面は生活を維持することができる見通しが立ちました。しかし、これからは8歳の子どもにもおカネがかかり、夫がいつ回復できるか見通しが立たない中、C子さんは働くことを決意しました。

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