40歳主婦が夫の「転職うつ」で悟った「自立心」 家計年収1000万円のはずが収入激減の恐怖

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

前述したとおり、C子さんは専業主婦になって10年。それまで家事、育児に専念してきたので、社会復帰へのハードルはかなり高いものがあります。

実際、新聞やネットの広告、ハローワークなどで仕事の求人を見つけては応募してみましたが、ことごとく採用されませんでした。

派遣で週3日働き、保育士の資格取得も目指し猛勉強

そこでC子さんは、大手派遣会社が実施している専業主婦向けの仕事支援プロジェクトに参加。そこで、パソコンやビジネススキルを学び、派遣社員として在宅ワークも併用しながら週に3日働くことになりました。
  
不思議なことに、C子さんが働き始めると、夫の病状は少しずつよくなっていったそうです。ある時、夫がポツリと漏らしたそうです。「転職して思うように仕事ができなかったのもつらかったけど、自分がダメになってしまったら妻も子供も路頭に迷ってしまうというプレッシャーが大きかった。心のどこかで君に働いてほしかったのかもしれない」と。

その時、C子さんは、何でも万能な夫に頼りすぎていたのかもしれないと反省。「これからもっと自分でも稼げるようにしなければ」と決意を新たにしたそうです。考えたくはないことですが、もし傷病手当金の支給が終わる1年半後に夫の病気が治っておらず、復職できない場合には収入が途絶えてしまいかねません。C子さんはそのリスクも踏まえ、ずっと長く働き続けられるようにと、保育士の資格取得も目指し猛勉強中です。

夫のうつ病をきっかけに仕事を始めたC子さんですが、どんな夫婦でも、どんな人生でも、常に順風満帆とはいきません。先行き不透明な今の時代、誰でも大病を患ったり、うつ病になったりする可能性があります。夫婦ならば、相手のピンチのときにこそ支え合えるよう、精神的にも経済的にも自立しておくことが大切だと思った相談でした。

高山 一惠 ファイナンシャルプランナー(CFP)

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

たかやま かずえ / Kazue Takayama

株式会社Money&You取締役。2005年に女性向けFPオフィス、株式会社エフピーウーマンを創業、10年間取締役を務め退任。その後、(株)Money&Youの取締役就任。女性のための、一生涯の「お金の相談パートナー」が見つかる場「FP Cafe」を運営。全国で講演活動、多くのメディアで執筆活動、相談業務を行い、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評。著書は『やってみたらこんなにおトク!税制優遇のおいしいいただき方』(きんざい)、『税金を減らしてお金持ちになるすごい!方法』(河出書房新社)、『パートナーに左右されない自分軸足マネープラン―ひとりでも生きていける力を身につけよう』(日本法令)など多数。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事