北朝鮮未婚女性は「避妊率4.29%」という事実 8500世帯調査で「北朝鮮の実生活」が明らかに
調査は既婚女性の避妊状況も割り出している。既婚女性の約30%はまったく避妊していないが、69%は現代的な方法で避妊を行っている。方法としては圧倒的大多数がIUD(避妊リング)を使用。コンドームやピルの使用はそれぞれ0.8%、0.3%と極めて少なく、1.3%の女性は不妊手術を受けている。不妊手術を受けている男性の比率は0%だった。驚くべきことに未婚女性は4.29%しか避妊を行っていない。
生理用品については55.4%が再利用可能なものを使用し、43.4%が使い捨てのものを使用している。
DVを許容する声は男女ともに少ない
DV(家庭内暴力)に対する考え方はかなり進歩的なようだ。調査では、いくつかの状況を設定した上で、そうした状況なら妻に対する夫の暴力は正当化されると思うかどうかを聞いている。これに対して北朝鮮女性の圧倒的大多数が、いずれのケースでも夫の暴力は正当化できないと回答した。
ただ、妻が夫に無断で家を出たという状況については女性の1.9%が、夫が暴力を振るうのは当然だと考えている。育児放棄については7.4%、夫と口論になった場合は2%、セックスを拒んだ場合は0.8%、料理に失敗した場合は1.2%が夫の暴力は正当化されると回答。以上のような状況のうちどれか1つでも当てはまれば、夫が妻に暴力を振るってもよいと答えた女性は9.6%いた。
DVについては男性のほうがやや厳しい見方をしており、夫に無断で妻が家を出た場合に暴力が正当化されると答えた男性は1.2%と、女性の数値を下回った。育児放棄については5.2%、夫との口論については0.8%、セックスを拒んだ場合については0.8%、料理に失敗した場合については1.7%、これらのうちどれか1つでも当てはまれば暴力を振るってもよいと回答したのは7.6%で、全般に男性のほうが女性よりもDVを許容する意見が若干少なかった。
今回の調査は北朝鮮政府が実施したものだが、ユニセフは北朝鮮ニュースの取材に対して、信頼性には自信があると答えている。
北朝鮮ニュースがデータの正確性を保証することはできないが、今回の調査は北朝鮮の一般世帯について貴重な洞察を与えてくれるものといえそうだ。
(文:ヘイミッシュ・マクドナルド)
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