北朝鮮未婚女性は「避妊率4.29%」という事実 8500世帯調査で「北朝鮮の実生活」が明らかに

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調査結果からは、子どもや夫婦を取り巻く家庭生活の一端も見えてくる。

子どものいる世帯の玩具保有状況は圧倒的大多数(89.8%)が既製のおもちゃ、あるいは店から購入したおもちゃを保有していると答えた反面、手製のおもちゃが置かれている世帯は41.9%だった。

子ども向けの本が3冊以上、玩具が2つ以上あると答えた世帯は半分以上に上ったが、子ども向けの本が10冊以上あると答えた世帯はわずか2.3%。子ども向けの本が3冊以上あると答えた世帯に住む7〜14歳の子どものうちの99%が自分で本を読んでいるか、誰かに本を読んでもらっている。ほぼ全数の子どもが学校から宿題を出されており、73.3%が親に宿題を手伝ってもらっている。

この他のデータを見ても、親が子どもの教育に積極的にかかわっている様子が伝わってくる。ただ、しつけも厳しいようだ。

子どもの59.2%は体罰を経験

1〜14歳の子どもの43.2%が家庭で精神的な圧迫を受けたことがあると回答。肉体的に罰せられたことのある子どもの比率もこれと同水準に達した。このうち2.8%が罰は「厳しかった」と答えている。

調査の対象には合計6449人の子どもが含まれているが、その半数以上(59.2%)は何らかの体罰を受けた経験がある。ただ、平壌市内に住む子どもは、他の地域の子どもに比べると精神的な圧迫や体罰を受ける機会も圧倒的に少ない。

半数以上の子どもが体罰を受けたことがあると答えているのに対して、体罰が必要だと考える母親の割合は20.8%にとどまっている。考え方と実際の行動に乖離があるか、父親が体罰を加える役目を担っているか、そのどちらかの可能性が考えられる。

調査によれば、労働は子どもにとってかなり身近な存在であるようだ。5〜11歳の児童の6%以上が、調査前の1週間に少なくとも1時間以上の経済活動を行っていた。12〜14歳の36.8%、15〜17歳の40.5%が同様の活動に従事。およそ5人に1人が児童労働を行っている形になる。

体罰を経験している子どもが大多数だ(写真:北朝鮮ニュース)

調査対象世帯で家事を行っている子どもの数は3582人で、このうち半分以上(58.8%)が児童労働の対象となる年齢層に属している。しかし、調査結果によれば、児童労働に従事していると見なされる子どもの割合は5%強だったという。

労働に携わっている子どもの大多数が農村部に住んでいる。平壌に住んでいる子どもが労働に関わるケースは他のどの地域よりも少ない。地域による貧富の格差が、子どもに関するデータからも浮き彫りになった格好だ。

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