北朝鮮、実は「ソーラー発電大国」だった? 国産パネルを独自に開発済みとの報道も
北朝鮮の中国製ソーラーパネルの輸入が今年3月、2010年以降で初めてゼロに落ち込んだことが中国の貿易統計からわかった。北朝鮮ではソーラーパネルの利用が2015〜2016年にかけて急速に広がったもようだ。パネルの製造コストが低下し、中国からの輸入が急増したことが背景にある。
平壌や農村地域で撮影された写真には建物やベランダに取り付けられたソーラーパネルが写っている。政府による電力供給は不安定であり、これを補うために多くの世帯が自家発電を行っているものとみられる。
パネル輸入額は約820万ドルからゼロに急落
だが、2017年になるとパネル輸入は急激に減少。2015年に820万ドル(約9億円)、2016年に540万ドル(約6億円)だった輸入額は、2017 年には190万ドル(約2億円)まで落ち込んだ。今年3月に輸入がゼロになったのは、北朝鮮への機械輸出が幅広く禁止されたことが影響しているようだ。
国際連合安全保障理事会は昨年12月下旬、加盟国に対してあらゆる種類の機械、電子機器、産業機器を北朝鮮に輸出することを禁じた。ソーラーパネルも制裁対象になっている。国際的な輸出入統計品目番号「HSコード」(統一システム番号)の第85類に該当するためだ。
「すべての加盟国が……北朝鮮へのすべての工業機械類(統一システム番号第84類及び第85類)……の直接又は間接の供給、販売又は移転を禁止する」と制裁決議書には書かれている。