「投資で損したくない人」が陥りがちな大失敗

「細かすぎる商品の比較」はかえって損をする

金融商品を選ぶ際、手数料などで細かな比較をするのはいいことだが、あまりに細かすぎるとかえって損をする。何を損するのだろうか(写真:MaCC/PIXTA)

前回「株価が暴落した時、投資信託はどうなるのか」は投資信託を「売る時」について、その価格が、いつどのように決まるのかを取り上げました。こうした基本的な知識を知っておくことで予想もしなかった「損」を避ける、またはそれを小さくすることができるようになります。今回は確定拠出年金の例を通じて、この「損をしたくない」という「ごくあたりまえの気持ち」が、時には「儲けること」を阻むやっかいものになってしまい、不合理な行動を起こさせるというお話をしたいと思います。

iDeCoの認知度は上がったが加入に躊躇する人が増えた

自分の老後資金を作る国の制度「iDeCo」(個人型確定拠出年金)の加入者がまもなく100万人になるそうです。昨年度1年間だけで42万人も増え、今年度も月4万人増と加入ペースは衰えていません。普及に尽力している私としては喜ばしい限りなのですが、最近「いい制度だから入ろうと思っているのですが……」と加入しようとしたものの、躊躇しているという方に多く会うようになりました。

こうした人々の多くが悩んでいる最大の問題は「選択」にあります。お話を伺うと、どうも「いちばん儲かるものを選びたい」「いちばん得をしたい」という気持ちが強すぎるような気がします。

人間の欲望という観点から見て、こうした気持ちを持つのはある意味当然です。問題は、価格の上げ下げによる損得だけではなく、確定拠出年金の制度にかかわる手数料や口座料などにおいても「いちばん安いところ、いちばんお得なところを選びたい」という気持ちが強すぎることです。目に見える数字の比較をしているだけで、知らないうちに、かえって「あまり良い選択をしていない場合がある」というのも、実は大きな問題なのです。

iDeCoに加入して積み立てを始めるにあたっては、数多くの「選択」が待ち構えています。金融機関を選び、商品を選び、その配分を決めなければならない、という選択が次から次へとやってくるのです。具体的に言えば、金融機関を選ぶにあたっては、商品ラインナップ、口座管理手数料、コールセンターの営業時間からWebの使い方、運用シミュレーションなどのサポートコンテンツがあるかどうかなど、サービスは金融機関によって大きく異なります。つまり、選択をするための比較要素がいろいろあるのです。

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