「内向的なSNS」が日本をリスペクトする理由 ピンタレストはそれでも日本にこだわる

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よくエンジニアたちに話すのだが、数年前まで電話に話しかけても向こうは何一つ理解できなかったが、今では電話に話しかけるだけでいろいろなことをしてくれる。コンピュータビジョンもそれと同じで、そう遠くない将来、自分の生活を変える存在になるだろう。

広告主がピンタレストを選ぶワケ

――米国では、ピンタレスト上で商品が買える「バイアブルピン」という機能がありますね。

目下、使い勝手の向上に取り組んでいるところだ。最初にやらないといけないのは、ピンタレストで欲しいものを見つけたときに、それがどこで購入できるかをわかるようにすることだ。これは利用者からも要求が多い。

たとえば、ピンタレストで気に入ったイスを見つけた場合、それをどこで手に入れればいいかすぐにわかるようにする、といったことだ。ピンタレストを通じてインスピレーションを得るだけでなく、料理サイトで実際のレシピを見つけたり、バケーションに行ったり、モノを買ったりと行動に移せる。

ピンタレストは言うなれば、ネット上にある自分だけの「宝箱」だ(撮影:梅谷秀司)

――広告を出す媒体がオンライン、オフラインともに無数にある中で、広告主がピンタレストを選ぶ理由は。

その理由はピンタレストの強みに直結する。ピンタレストの利用者は、それぞれの生活において新しいことやワクワクすることについて夢想したり、計画や準備をしていることが多い。利用者は何か新しいモノを買ったり、新しいことに挑戦したり、旅に出ようと計画しているかもしれないが、まだ具体的に何が欲しいのか、どこに行くのか、など決まっていない。ここがポイントだ。

利用者がそういう状態にあることは、広告主にとってはいいことで、彼らは何らかの目的を持ちながらピンタレストを使っていながらも、オープンな状態で、広告を見たときに「見たくないモノを見せられた」とは感じにくい。一方、欲しいモノなどが完全に決まった状態であれば、利用者はグーグルや楽天、アマゾンなどを使うだろう。

――広告主からは、どういった要望があるのでしょうか。

広告主はつねに2つのことを求めている。1つは、その企業の製品やサービスを気に入るであろうポテンシャルのある顧客へのリーチを広げることだ。そのために、ピンタレストでは、その製品に興味を持ちそうなユーザーに幅広くリーチできるような取り組みをしている。

もう1つは、広告を出した結果を見極められることだ。成果を見極める基準は各社で異なる。たとえば、広告が実際の売り上げにどれだけつながったか測りたい企業もあれば、知名度を上げたいと考えている企業もある。どういう基準であれ、広告手段が複数ある中、使ったおカネがどういう成果につながっているかを見極められるようにしないといけない。

倉沢 美左 東洋経済 記者

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くらさわ みさ / Misa Kurasawa

米ニューヨーク大学ジャーナリズム学部/経済学部卒。東洋経済新報社ニューヨーク支局を経て、日本経済新聞社米州総局(ニューヨーク)の記者としてハイテク企業を中心に取材。米国に11年滞在後、2006年に東洋経済新報社入社。放送、電力業界などを担当する傍ら、米国のハイテク企業や経営者の取材も趣味的に続けている。2015年4月から東洋経済オンライン編集部に所属、2018年10月から副編集長。 中南米(とりわけブラジル)が好きで、「南米特集」を夢見ているが自分が現役中は難しい気がしている。歌も好き。

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