医療、福祉の充実度などを示す「安心度」では、今年のランキングから指標の入れ替えを行った。これまで採用していた「0~4歳人口当たり保育施設定員数」を指標から外し、新たに「年少人口(0~14歳)増減率」を指標として採用した。
「0~4歳人口当たり保育施設定員数」を指標から除外した理由としては、①待機児童を解消するため、保育所の整備が重要課題であることに変わりはないが、行政による子育て支援は保育所の整備に限られないこと、②企業主導型保育所が広がりを見せているが、その整備状況を補足しきれていないこと、③調査時点から公表までのタイムラグが大きく、保育所整備の努力が直ちに評価に反映されないこと、の3点だ。
替わって、少子化のなかで年少人口が増えているということは、子育て環境が支持され選ばれていることを示すと判断し、「年少人口(0~14歳)増減率」を新たな指標とした。
西日本が依然として優勢
今回の指標の入れ替えによって、東京23区をはじめ、子どもの数が増加傾向にある市区が軒並み順位を上げる結果となった。とはいえ、「人口当たり病院・一般診療所病床数」「65歳以上人口当たり介護老人福祉施設・介護老人保健施設定員数」「15~49歳女性人口当たり出生数」の各指標では、いまだ地方に分があり、今年も西日本の地方都市がランキング上位に名を連ねた。そのなかでも目立つのが中国・四国、九州・沖縄の市で、トップ10に9市、トップ30に25市がランクインしている。
順位が変動するなか、昨年12位から1位へ浮上したのが合志市(熊本)。熊本県の北部内陸部に位置し、市域北部は県内有数の穀倉地帯、南部は熊本市に隣接する市街地として都市化が進む。公共交通機関が集積し、通勤・通学の利便性が高く、また、企業等が立地する産業都市の面も併せ持ち、熊本都市圏の新しい生活拠点として発展中だ。
新指標の「年少人口(0~14歳)増減率」が12位と高く、「15~49歳女性人口当たり出生数」も10位。人口が増加する一方で「人口当たり病院・一般診療所病床数」も多く、「安心度」1位となった。
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