主に買い物の利便性を示す「利便度」は、従来の2指標(「人口当たり小売業年間販売額」、「人口当たり大型小売店店舗面積」)に加えて、「可住地面積当たり飲食料品小売事業所数」を新たな指標として採用した。
経済センサス調査の「飲食料品小売事業所」には、食品スーパーや野菜、食肉、鮮魚、菓子・パンなどの販売店のほか、コンビニエンスストアが含まれる。ネット通販の普及に伴い、“なんでもそろう”百貨店や大型商業施設の優位性が相対的に下がる一方、高齢者や単身者、共働き世帯の増加によって、地域に密着した身近な食品スーパーやコンビニエンスストアは重要性を増している。
とりわけコンビニには、銀行ATMがあり、公共料金の支払いや宅配便の発送ができ、行政サービスの一部を代行するなど、貴重な生活インフラにもなっている。
そこで「飲食料品小売事業所数」を、市区の面積から林野や湖沼の面積を除いた「可住地面積」で割った値を、日常生活に欠かすことのできない店舗が近所にあるか、との視点から「利便度」の算出指標として追加した。
2部門首位の武蔵野市
この指標を追加した結果、コンビニエンスストアや比較的規模の小さな店舗が数多く立地する都市部の市区が順位を上げた。1位となったのは武蔵野市(東京)で、昨年11位から浮上した。吉祥寺を中心に大型の商業施設が集積し、以前から「利便度」の順位は高かったが、食品スーパーやコンビニエンスストアの数の多さから、さらに順位を上げる結果となった。
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