日本とフランス、夕食の風景はこんなに違う 夕食は「家族の絆」を深める最適な場だ

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くみ:現代社会を描いた漫画やアニメ、ドラマや映画を見ていると、お父さんが遅く帰って来て晩酌をしたり、あるいは外食して酔っ払って帰って来る、なんて描写もあるけれど、私にはどれも馴染みがなくて「普通の家は本当にこんな感じなのかな?」と違和感があったのを覚えている。

エマニュエル:家族って一緒に住んではいても、たいていそれぞれ好きなことをしているわけで、そんなにコミュニケーションをとっているわけではないよね。だからこそ、この食事の時間にみんなで顔を合わせて、その日あったことなんかを話し合うことって大切だと思うし、小さな子どもにとっては口頭で表現するいい練習の場でもあったりするんだ。

日本人に比べてフランス人のほうが、ディベートが得意な人が多いというけれど、教育現場以外にも、この夕食の時間に家族で議論する習慣があるのも理由かもしれないね。夕食時に家族そろって政治についての議論をするとか、よくあるから。

毎晩1時間の夕食はざら

くみ:そうね、同じように毎晩、食卓を家族で囲んでいても、話す内容はちょっと違ったかも。幼い頃は多分、その日の出来事などを話していたと思うけれど、中高生くらいになってくると、ちょうど19時にNHKニュースがあるものだから、30分くらいは夕食を食べながらNHKニュースを見ていた記憶がある。

うちは特にTVを見る時間には厳しい家で、ことにご飯時にTVは良くない、という感覚はあったものの、子どもたちの社会勉強や大学受験に備えてニュースを把握していないといけない、という両親の教育的な観点からそういう習慣になった気がする。でも、ニュースは主に内容を理解することが重要で、それについて各々が意見を言って議論をしたり、ということはそこまでなかったと思うわ。

エマニュエル:フランスは毎晩、前菜を食べた後にしばらくしてメインが出てきて、その後にチーズを食べて最後に果物が出てくるんだけど、どの工程もみんな食べ終わるのを待たなきゃいけないから、夕食に1時間以上はかかっちゃうんだよね。だから、夫婦仲が悪かったり親子の仲が悪い家族なんかにとっては夕食の時間は苦痛かもしれない。日本みたいにさっさと食べ終えちゃって先に部屋に帰るとかできないからね。

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