これまでジムニーどころか、クロスカントリー系のクルマすら個人所有したことのない私が、なぜジムニーを買うのか。
私はテストカーの姿を何者かが事前に収めたスパイフォトとスパイ動画を見て、4代目ジムニーの購入を即断した。数カ月前、YouTubeで流れていた海外仕様車の欧州テスト風景の非公式な動画をたまたま見て、その魅惑的な外観デザインと安定した走りに惹かれた。これは海外仕様の「ジムニーシエラ」である可能性が高く、「ジムニー」はオーバーフェンダーがないなどボディサイズは少しこぶりになることを予想した上で、新型ジムニーに惚れてしまったのだ。
自動車開発に携わる人、特にカーデザイナーは「クルマは見た目が100%」と消費者の自動車購入の動機を表現することが多い。その法則に、私はまんまとはまってしまった。
自動車産業はいま、100年に一度と言われる時代変化の真っただ中にある。自動運転、EV(電気自動車)、コネクテッドカーという3つの技術領域と、ライドシェアリングなど新しいサービス事業であるMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)が融合することで、消費者の自動車に対する考え方が大きく変わる可能性がある。
そうした時代変化の現場を世界各地で体験する中で、自分自身の軸足となるモノが必要ではないか、と感じている。
日本の軽自動車は国際的な評価が高い
そこでまず浮上したのが、軽自動車だ。世界各所で出会う自動車業界関係者の多くが「日本のマイクロカー(軽自動車)のコストパフォーマンスと内外装のデザインに対する感性は、日本以外の国では到底真似できない」と舌を巻く。私はこれまで、日本で複数台の軽自動車を所有していたことはあるが、さらに一歩踏み込んで、軽自動車の中でも特異な存在であるジムニーへの関心が高まった。
これまでとは違う視点で「人とクルマ」「クルマと社会」そして「社会とクルマ」について本連載で考えていきたい。ただし、決してスズキとのタイアップ記事ではないことをお断りしておく。私はこれから、ジムニーのいちユーザーになるだけだ。
ジムニーにはオフロード走行用に高額な改造を施すヘビーユーザーや、山間部や雪道での生活四駆として多用しているユーザーなど、ジムニーユーザーの大先輩が大勢いる。その中で私は、ジムニー初心者に過ぎない。
そうした初心者目線で、4代目への期待を少しだけ紹介したい。
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