「もめる相続」は資産5千万円以下で起きる 調停に持ち込まれる件数は年々増加している
生きていると、何回か相続を経験する可能性があります。一般的には夫の両親や自分の両親、そして配偶者などの相続です。この相続によって、それまで家族関係に何ら問題なかった親族、あるいは兄弟姉妹の関係が一変することが多々あるようです。つまり、もめるのです。
少しでももめない相続にするにはどうすればいいのか、相続問題に詳しい税理士の板倉京先生にアドバイスを伺いました。
血がつながっている家族でさえもめてしまいます
例えば、父親が残した不備のある遺言書によって、仲の良かった兄弟に遺産を巡る争いが起こり、その後ずっと不仲になってしまうケース。または、子どものいない夫婦の夫が亡くなり、これからどうやって生きていこうかと思っていた矢先、義父から夫の財産を寄こせと請求されるケースなどです。血がつながっている家族でさえもめるのですから、血がつながらない間柄なら、なおさらかもしれません。
相続はもめるもの
5000万円以下の遺産分割でもめる件数が全体の半分以上です
それでは、相続のもめ事はどれくらい起きているのでしょうか。家庭裁判所に持ち込まれる遺産分割調停などの件数をみてみると、年々増加傾向にあります。資産家の人たちがもめているイメージがあると思いますが、そうでもないようです。最高裁判所の司法統計年報によると、5000万円以下の遺産分割でもめる件数が、全体の半分以上を占めています。もしかしたら、「相続はもめるもの」なのかもしれません。
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