「もめる相続」は資産5千万円以下で起きる 調停に持ち込まれる件数は年々増加している

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◆ケース3
夫亡き後、義父が遺産を請求してきた

【相談内容】

会社を経営していた夫を病気で亡くした専業主婦の俊子さん。子どもがおらず、夫には兄弟がいるので、財産は妻に全部あげるという遺言書を残していました。親の遺留分(法律上、決められている相続できる最低限の財産)については放棄するようにと明記されていましたが、法的拘束力はありません。案の定、義父が夫の財産を請求してきました。

今後の生活を考えると、妻はお金が幾らあっても足りない状況です。そんなことも全て承知している義父から、夫が残してくれた財産について請求されるとは思ってもいませんでした。義父としては、家をリフォームしたいという希望があり、正さんから少し援助してもらうつもりでいたようです。俊子さんから、遺言の内容を聞いたときには激怒していました。

(画像:毎日が発見ネット)

義父には遺留分を支払う

【先生のアドバイス】

遺言書があってももめるのですから、遺言書がない場合はなおさらです。今回のケースも、義父には遺留分を支払うことで決着できます。子どもがいない夫婦は、夫が亡くなると、血のつながらない義父などと遺産をとりあうことになってしまいます。お互いに遺言書を書いておくといいでしょう。

(取材・文:金野和子)

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「毎日が発見ネット」編集部
「まいにちがはっけんねっと」へんしゅうぶ

自身の健康&親の介護が気になり始めた世代に役立つ情報が満載の、雑誌「毎日が発見」。そこに掲載された健康情報やレシピに加え、介護や夫婦問題の当事者のリアルな声をお届けします。

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