親が借金を残して死んだら子供はどうするか 放っておくと、大変なことになる危険性も
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今回は相続のお話をしたいと思います。一般的に相続というと、兄弟や姉妹どうしでの財産の分け方、さらには相続税の負担について、興味が偏りがちです。しかし「親が借金を残して亡くなる」という重大なトラブルの種があります。
さてその借金、遺族が返済しなければならないのでしょうか。
実は、預金や不動産といった「プラスの財産」だけでなく、借金という「マイナスの財産」も相続するのが原則なのです。そして相続した借金は、相続した人が返さなければなりません。
「えーっ!」という声が聞こえてきそうですが、確かに、そんなことになったら大変です。遺族として何か対策はないのでしょうか。あります。早速ケーススタディを通して、みていきましょう。
相続は「放棄」できるが、安心は禁物
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借金というマイナスの相続財産があった場合、どうするか。山村俊夫さん(34歳、仮名)は、先日父を亡くしました。
相続人は母と俊夫さんの2人。俊夫さんは母から、父に借金があることを聞かされました。確認してみると、借金の額は約500万円。実家は賃貸住宅で、父が残したのはこの借金だけでした。
さて、この借金はどうなるのでしょうか。
借金は故人のマイナスの財産であり、預貯金や不動産といったプラスの資産と同様、相続人に相続されるのが原則です。
とはいえ、故人がつくった借金を相続人が引き継ぐのは酷であり、大変なことです。そこで相続人は、「相続放棄」という手続きをとることが認められています。
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