iPhoneが「子ども用スマホ」として最強なワケ アップルは「中毒問題」を真剣に考えている
家のテレビを撤去し、週末は果樹園や海へ繰り出す。現代では選ばなければ得られない「スクリーン(画面)なし」もまた、高給取りの特権的な選択肢となっている。しかしテクノロジー企業に共働きで勤める両親は、昼間の時間、家に帰るまではスクリーン漬けの状態、というコントラストも存在する。
ここに挙げたのは極端な実例かもしれないが、一方で幼児の頃から四六時中スクリーン漬けになっている子どもも街で見掛ける。明らかにバランスが取れていない状態であり、その解決手段が求められていたこともまた、自然な流れと言える。
アップルの「家族」という戦略
アップルは、スクリーンタイムの機能をなぜ取り入れたのか。前述のとおり、ユーザーのスマートフォン利用時間が減少する傾向を作り出すため、開発者にとっては、これまでも時間を奪い合う競争を繰り広げてきたが、さらにその競争が激化することを意味する。
その背景には、アップルの戦略の中に「家族」の取り込みがあるからだろう。
アップル IDを家族全員が持つ場合、最大6アカウントまでを家族として、親が子どものアカウントの管理を行えるようにするファミリーシェアリングが用意されている。
家族メンバーの誰かが購入したアプリを無料でダウンロードできたり、iCloud追加ストレージを分け合ったり、Apple Musicにファミリープランで参加できる。また共有カレンダーや共有写真アルバム、共有リマインダーなどが自動で用意される。iOS 12からは、前述の子どものスクリーンタイムの管理機能が追加される形となる。
家族みんながiPhoneやiPadを使うメリットを高めていくことで、ユーザーを家族単位で囲い込んでいこうという戦略だ。これを推し進めていくうえで、子どもとテクノロジー活用の関係性は、避けては通れないテーマだった。
アップルは昨年のWWDC 2017で、拡張現実を実現するアプリを開発できる「世界最大のプラットホーム」を宣言した。iPhone 6sやiPhone SE以降のiPhoneでARKitを用いて開発された拡張現実アプリを動作させることができるからだ。
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